ニュース

美作市の「太陽光パネル新税」、市議会で4度目の「継続審査」に(page 2)

特定納税者に加え、約160の小規模発電事業者にも事前説明へ

2020/03/26 22:28
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
印刷用ページ

専門家2人の見解は割れる

 その後、市議会では、この分野に詳しい弁護士と大学教授を招いて、市の目指しているパネル新税の実現性や課題など関して、意見を聞く機会を設けた。2人の専門家の意見では、弁護士がパネル新税には課題が多く懐疑的との立場だったのに対し、大学教授は、市の構想するパネル新税に概ね肯定的だった。

 両者の意見は割れたものの、「特定納税義務者以外も含め、広く納税者に対して事前に説明して理解を求めていくべき」との指摘は共通していた。しかし、現時点で市による事前説明は、特定納税義務者に限定されており、それ以外の約160事業者に対しては、事前説明や意見集約の場を設けていない。そこで、議会は、市に対して、特定納税義務者以外にも事前説明と意見集約を実施すべきと提案し、市行政当局もこれを受け入れた。

 こうした経緯から、3月の定例会では継続審査とし、市による約160事業者への事前説明と意見集約の内容を踏まえて、6月の定例会で審議することになった。市では、新型コロナウイルスへの対策もあり、どんな形で事前説明と意見集約の機会を作るかは、今後、検討してきたいとしており、その手法が注目される。

 このほか、3月25日の定例会では、2人の専門に対して、意見を求めた論点を紹介した。主なものは、「発電設備に課税する固定資産税と二重課税になるのではないか」「環境保全や生活環境の改善に活用するという税収の使途が正当なものか」「再生可能エネルギーを推進する国の政策と整合しているか」などが、挙げられた。

 これらの論点のなかでも、法定外目的税の創設で問題になりやすい「二重課税問題」が、今回の定例会でも、議論となった。

 パネル新税の導入を目指す美作市の行政当局では、この点に関して、「固定資産税の課税標準(課税する対象)は発電設備資産の評価額であるのに対し、パネル新税は、パネルの面積なので、二重課税ではない」と説明している。

 今回、招いた専門家のうち、大学教授は、この美作市行政当局の考え方を概ね支持しているものの、弁護士は、「金額と面積という違いはあっても、太陽光パネルは固定資産税が課税する発電設備全体の一部なので、事実上、二重課税といえる」との見解だった。

 パネル新税が「二重課税」となれば、パネル新税の導入後、納税者からの訴訟に対して、市が敗訴するリスクが高まることもあり、議員から、専門家の意見を踏まえてパネル新税が二重課税になるのかどうか、さらに理解を深めるべきという意見があった。

  • 記事ランキング