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再エネで自給できる「電力永続地帯」、初めて全市町村の1割超に

2020/04/08 18:52
工藤宗介=技術ライター
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エネルギー永続地帯と電力永続地帯の推移
(出所:千葉大学、環境エネルギー政策研究所)
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 千葉大学と認定NPO法人・環境エネルギー政策研究所は、日本国内の市町村別の再生可能エネルギーの供給実態を把握する「永続地帯」研究を進めている。4月7日に発表した「永続地帯2019年度版報告書」では、域内の民生・農水用電力需要を上回る量の再エネ電力を生み出している市町村「電力永続地帯」が、初めて1割を超えたことが分かった。

 同報告書は、2019年3月末時点で稼働している再エネ設備を把握し、その設備が年間にわたって稼働した場合のエネルギー供給量を推計した。それによると、電力永続地帯は、2011年度は84団体だったが、2018年度には186団体まで増加し、全市町村数1742団体の約10.7%に達した。

 また、域内の農林水産業用エネルギー需要を上回る再エネを生み出している「エネルギー永続地帯」についても、2011年度は50団体だったが、2018年度には119団体と着実に増加している。

 再エネによるエネルギー供給が民生および農水用エネルギー需要の10%を超える都道府県は、2012年度は8県だったが、2019年度には41道県に達した。まだ10%に達していないのは、沖縄(7.3%)、埼玉(7.1%)、京都(5.7%)、神奈川(5.0%)、大阪(4.3%)、東京(1.9%)の6府県だった。

 このほかにも、2012年7月に施行された再生可能エネルギー特別措置法に基づく固定価格買取制度(FIT)の影響で増加した太陽光発電の発電量は、2018年度は前年度比で16.1%増加した。前年度比の増加率は、2015年度は36.6%、2016年度は24.7%、2017年度は13.9%と推移しており、伸び率の低下が止まった形になった。

 そのほかの再エネ発電は、風力発電が9.0%増、バイオマス発電が4.9%増、小水力発電は0.8%増、地熱発電は1.3%減となり、太陽光と比べてFITの効果が十分に現れていない。また、FIT対象外の「再生可能エネルギー熱」は、対前年度比0.2%減とほぼ横ばい状態になっている。再エネ供給量に占める再エネ熱の割合は、2011年度に20.3%から、2018年度には10.3%と低下している。

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