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台湾の洋上風力向けに定期貸船契約、商船三井など

2020/04/20 22:54
工藤宗介=技術ライター
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 商船三井と台湾・大統海運(TTS)は4月17日、両社の合弁会社である大三商航運股份有限公司(大三商)を通じて、デンマークの大手電力会社Ørstedの100%子会社であるØrsted Taiwanとの間でサービス・オペレーション・ヴェッセル(SOV:Service Operation Vessel)の定期貸船契約を締結したと発表した。

 SOVは、洋上風力発電所のメンテナンス技術者を複数の洋上風車に派遣するための宿泊設備を持ち、一定期間洋上での活動を可能にするオフショア支援船。洋上風車との距離を常時安全に保つためのダイナミックポジションシステム(DPS、自動船位保持機能装置)、風車上に技術者を安全に渡すために波などによる船体動揺を吸収する機能を持つ特殊な装置を搭載する。

 同契約と合わせて大三商は、ノルウェー造船所VARDの100%子会社VARD Singaporeとの間で、同契約に投入する新造SOVに関する造船契約を締結した。VARD傘下のベトナム造船所Vard Vung Tauで2022年上半期の竣工を予定しており、Ørstedが台湾台中沖で開発を進める大彰化洋上風力発電所(総出力900MW、2022年完成予定)向けメンテナンス支援事業に15年間(最大20年間)従事する計画。

 台湾では、2017年1月に電気事業法を改正し、原子力に代替する電源のひとつとして再生可能エネルギーの推進を掲げている。台湾島西方の中台海峡は風況に恵まれており、2020年~25年の間に合計5.5GWの洋上風力の系統接続許可が発効された。さらに2026年~35年の間に追加で10GWの洋上風力事業が検討されている。

 今回の契約は、台湾およびアジア初のSOV事業となる。SOVは、洋上風力の開発が盛んな欧州で普及しており、今後は台湾などを中心にアジアでも需要拡大が見込まれている。

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