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可燃ごみをエタノールに変換、積水化学とINCJが合弁会社

2020/04/22 12:25
工藤宗介=技術ライター
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合弁会社の事業イメージ
(出所:積水化学工業、INCJ)
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BRエタノール技術の事業化および事業展開のスケジュール
(出所:積水化学工業、INCJ)
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 積水化学工業とINCJは4月16日、微生物触媒を活用して、生ごみや古着、古紙、廃プラスチック、廃材などの可燃性ごみをエタノールに変換する技術「BR(Bio Refinery)エタノール技術」の実証事業、および事業展開を行うことを目的とした合弁会社「積水バイオリファイナリー」を新設したと発表した。INCJは、経済産業省系の官民ファンド。

 積水化学と米国のベンチャー企業LanzaTechが共同開発した技術。2017年に確立し、実用化・事業化に向けて環境省委託事業「二酸化炭素の資源化を通じた炭素循環社会モデル構築促進事業」などを活用して、パートナーの募集やビジネスモデルを検討してきた。

 合弁会社は、岩手県久慈市に実証プラントを新設し、2021年度末から実証事業を行う予定。実証プラントでは、既存ごみ処理施設から1日に約20t(標準規模のごみ処理施設の処理量の10分の1相当)を譲り受けてエタノールを生産する予定。

 積水化学によると、これまでの検証からごみ重量の6分の1程度のエタノール(濃度99.5%換算)の生産が見込まれるという。なお、実証プラントでは、生産以外の部分の確認も行っていくため、供給可能なエタノール量は年間数百kL程度を想定している。

 日本で排出される可燃性ゴミは年間約6000万t、エネルギー量はカロリー換算で約200兆kcalに達する。国内でプラスチック生産に用いられる化石資源量の年間約3000万t、約150兆kcalと比べて十分に大きい量にも関わらず、再利用は一部にとどまり多くは焼却・埋立処分されている。

 同技術の事業化および事業拡大には、原料となる廃棄物関連の行政を所管する自治体や民間企業などのパートナーとの強化な連携が必要となることから、経済産業省が所管する官民ファンドであるINCJの協力を得て合弁会社を設立した。2025年度に本格事業化を開始し、2030年度に売上高100億円規模を目指す。

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