日本ベネックス(長崎県諫早市)は4月23日、新型コロナウイルスの解析プロジェクトに参加するサーバーに対して、再生可能エネルギー電力を供給すると発表した。
分散コンピューティングの開発・運用を手掛けるA.L.I. Technologies(東京都港区)と共同で、米スタンフォード大学発の国際的な分散コンピューティング環境「Folding@home」に参加する。
このプロジェクトは、分散コンピューティング環境を活用して分子や原子の動きを再現することで、新型コロナウイルスの解析および治療薬の開発に貢献するもの。Folding@homeは、世界中の参加者が各々のコンピューターの処理能力を提供することで、全体で大きな処理能力を実現するプラットフォームとなる。
日本ベネックスは、本社工場内のスペースをA.L.I.の運用するサーバー(AMD製GPU300枚超を搭載)向けに使用し、サーバーの稼働に同工場に設置された太陽光発電設備の電力を活用している。今回、同サーバーをすべてFolding@homeに拠出し、解析プロジェクトの演算力向上に役立てることになった。
日本ベネックスでは、2018年から「みらいの工場」プロジェクトを展開し、本社工場に出力276kWの自家消費型太陽光発電設備と電気自動車(EV)の使用済み蓄電池を用いた容量約400kWhのリユース蓄電池システムを導入した。2019年には出力435kWの太陽光パネルを増設した。総出力は712kW、予想年間発電量は約65万7000kWhで、同工場の年間消費電力量の約30%を賄っている(関連記事:日本ベネックス、自家消費太陽光を増設、再エネ比率30%に、パネルで社名デザイン)。