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経産省、追尾型太陽光で周知文書、保安意識を喚起

2020/04/24 22:30
金子憲治=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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追尾システムを採用した低圧事業用太陽光の例
(出所:日経BP)
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 経済産業省は4月23日、太陽の動きを自動的に追尾するタイプの架台システムを採用している太陽光発電所に対して、追尾装置を含めた設備保安への理解や耐久性など技術基準への適合性などに関して、注意を喚起する文書を公表した。

 「自動追尾型太陽電池発電設備に関するお願い」と題し、主に低圧事業用の小規模な太陽光設備の発電事業者に対し、周知する目的で文書を出した。

 同文書では、「太陽電池パネル面の角度を油圧装置や電動モーターによる駆動装置等を用いて自動制御する太陽電池発電設備」に対して、「保守メンテナンスに万全を期すとともに、駆動装置が故障した場合は速やかに修繕することが必要」としている。

 具体的には、まず、駆動装置の販売元から以下の資料を入手することを求めている。設計図書、太陽光パネル仕様書、支持物の構造図及び強度計算書、地質調査結果、設備の配置図、電気設備の配線図(単線結線図)、施工記録、駆動装置の取扱説明書――。

 そして、これらをもとに、設備の構造や維持管理方法などについて説明を受けることにより、設備の保安について十分に理解し、電気設備に関する技術基準への適合性を改めて確認するよう促している。

 経産省・産業保安グループ電力安全課によると、今回の周知文書を出した背景には、連系出力50kW未満の低圧事業用太陽光発電所を立ち入り検査するなかで、追尾型システムの装置に関して、十分な理解や保安の知識に乏しい発電事業者が見られたことから、保安の観点から、発電事業者の意識を喚起することになったという。

 追尾型システムの場合、油圧やモーターなど稼働部があり、適切な保守を怠ると故障の原因になり、例えば、パネルやアレイ(パネルの設置単位)が地面と垂直のまま止まった場合、強風で飛散しやすいなど、大きな事故につながる可能性もあるとしている。

 また、追尾式システムの採用によって、電気事業法上の技術基準が求める架台本来の強度や耐久性が犠牲にされていることがないよう、改めて確認してほしいという。

 50kW以上の高圧・特別高圧太陽光発電所の場合、電気主任技術者が保安管理を担っているが、低圧事業用太陽光では、電気事業法上、発電事業者が設備や装置について理解し、保安上の管理を行う義務がある。経産省・産業保安グループ電力安全課では、低圧事業用太陽光では、投資目的で建設し、保安意識に乏しい発電事業者もいることから、今回の文書で発電事業者に注意を喚起したいとしている。

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