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コロナ危機からの復旧には再エネ支援が重要、IRENAが提言

「再エネ分野での雇用は4200万人に増加」との見通しを公表

2020/05/04 21:52
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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IRENAは初めて「世界再生可能エネルギー展望」を公表
(出所:IRENA)
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再エネをベースにした「グリーンな回復」を提言
(出所:IRENA)
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 IRENA(国際再生可能エネルギー機関)と⺠間アクターの協働プラットフォームIRENA Coalition for Actionは4月28日、新型コロナウイルス(COVID-19)による経済危機から回復するための方策に関し、各国政府に対する提言を発表した。

 IRENAは4月20日に発表した「世界再生可能エネルギー展望(Global Renewables Outlook)」のなかで、新型コロナウイルス危機からの復旧と気候変動対策を一致させることが、結果的に世界の経済社会にとって大きな利益になる、との見方を示していた。

 IRENA Coalition for Actionの提言もこの考え方に立ち、「再生可能エネルギーは、信頼性と費用対効果が高く、移動も容易などCOVID-19に対処する電力インフラとして重要な役割を果たす」と強調している。

 IRENA Coalition for Actionは、再エネ産業に関連する100以上のメンバーから構成される。今回、COVID-19によって再エネ産業が直面している課題などを調査・議論し、各国の政策担当者に対する提言をまとめた。

 具体的には、政府への喫緊の要望として、(1)再エネプロジェクトに対して短期的に課された契約上の義務に関して配慮、(2)再エネ産業と関連インフラを「重要で不可欠なセクター」に指定、(3)集中型と分散型の両タイプの再エネを推進・拡大――。

 さらに、コロナ危機から脱却するための景気対策のなかで、(1)再エネを優先的に支援し、化石燃料へのサポートを段階的に廃止、(2)再エネへの民間投資を促すため、公的な財政支援を実施、(3)産業政策の中で再エネの役割を強化、(4)再エネ産業への雇用の移動を推進するための人材育成、(5)国際的な協調によって気候と持続可能性の目標に沿って再エネの展開を加速――。

 IRENAは4月20日に発表した「世界再生可能エネルギー展望」のなかで、「再エネを主体に脱炭素化をすすめるには、最大で合計130 兆米ドルの投資を要するが、それによる社会経済的な便益は極めて大きい」とし、「エネルギーシステムの転換は、現状のまま推移した場合と比較し、 現在から2050 年までの世界の累積GDPを98兆米ドル押し上げ、再エネ分野での雇用は4200万人まで4 倍の増加が見込まれる」との試算を公表している。

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