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投資家団体が声明、コロナ危機からの回復は気候対策の視点で

2020/05/04 23:36
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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The Investor Agendaのホームページ
(出所:The Investor Agenda)
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 「新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な流行)からの回復に向けた経済政策の策定には、気候危機の重要性を考慮すべき」――。

 UNEP-FI(国連環境計画金融イニシアティブ)、PRI(責任投資原則)などからなる投資家団体The Investor Agendaは5月4日、「新型コロナウィルス・パンデミックからの持続可能な回復」と題した声明を公表し、政府に送付した。

 同団体は、UNEP-FI、PRIのほか、AIGCC(気候変動に関するアジア投資家グループ)、 CDP、Ceres(セレス)、IGCC(気候変動に関する機関投資家グループ)、IIGCC(気候変動に関する機関投資家グループ)の7つ創設パートナーからなり、すべて合わせると運用資産は総額で数兆ドルに達するという。

 現在、世界各国の政府を含む多国間フォーラムで、新型コロナウイルスへの対応を議論しており、「多くの政府は、即座のパンデミック対策を配した後に、財政的な困難に直面するため、民間資本の活用が復興には不可欠」との視点から、提言をまとめた。

 新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、各国では経済活動を制限しており、景気の大幅後退が避けられない。今後、感染の鎮静化とともに景気回復対策が打たれるが、The Investor Agendaでは、民間投資を積極的に呼び込むには、気候変動対策にプラスとなることが不可欠とし、「ネット・ゼロ経済への世界的な移行による大きな投資機会を見極めながら景気対策を決定すべき」と強く訴えている。

 具体的には、推奨事項として、(1)人命救護と雇用創出を優先、(2)パリ協定の堅持、(3)政府の新型コロナ救済策が気候リスクに対応することの確保、(4)気候レジリエントで排出ネット・ゼロ経済に向けた解決策を優先、(5)復興計画への投資家の取り込み――を挙げている。

 (4)では、「復興計画において炭素集約型の経済活動に固執しては、気候リスクを増大させ、さらなるショックに経済をさらすだけになる。政府は、クリーンエネルギーへの新たな投資を促進し、雇用を創出することで、復興を加速できる。これは、多くの場合、既存の炭素集約型の活動よりも安価で迅速に展開できる」とし、再生可能エネルギーへの投資が雇用の創出と復興加速に効果的としている。

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