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世界初の国際間水素輸送、ブルネイで生成したMCHから水素を分離

2020/05/07 21:48
工藤宗介=技術ライター
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川崎市にある脱水素プラント
(出所:AHEAD)
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 次世代水素エネルギーチェーン技術研究組合(AHEAD)は4月24日、東亜石油の京浜製油所(川崎市)内に建設した脱水素プラントが安定稼働し、ブルネイ・ダルサラームにて生成したメチルシクロヘキサン(MCH)を原料に、水素とトルエンの分離を開始したと発表した。

 分離されたトルエンは、ブルネイに送り返され、再び水素輸送に使用される。ブルネイでのMCH生成、海上輸送、日本でのMCHから水素の分離という、MCHを水素キャリアにした流れによる、国際水素サプライチェーンを構築し、世界初となる国際間での水素輸送を実現したとしている。

 2015年に開始した「有機ケミカルハイドライド法による未利用エネルギー由来水素サプライチェーン実証」事業の一環で、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受けた。AHEADは、同実証事業を推進するために、千代田化工建設、三菱商事、三井物産、日本郵船が2017年8月に設立した。

 脱水素プラントは、1時間に300m3の水素を生成する能力を持ち、2019年9月に竣工した。また、ブルネイの水素化プラントは同年11月に完成し、同年12月には水素化プラントで生成されたMCHが日本に到着した。

 実証事業の期間は2020年度末まで。今後は、水素サプライチェーンの実証運用を通じて国際間水素輸送の実効性を確認する。また、それぞれのプラントで各種データを取得し有機ケミカルハイドライド法の実用化に向けた研究テーマに取り組むことで、将来の商業水素サプライチェーン事業の実現を目指す。

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