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建設現場にオフグリッド太陽光、再エネ比率最大55%

2020/05/11 21:00
工藤宗介=技術ライター
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太陽光パネルの設置状況
(出所:村田製作所)
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All-in-One蓄電池システムの設置状況
(出所:村田製作所)
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 佐藤工業(福島市)と戸田建設、村田製作所の3社は、福島県内の建設現場において、太陽光パネルと蓄電池を使い、移設可能なオフグリッド太陽光発電システムを実証している。2019年度は3カ所で検証し、建設現場における再生可能エネルギー利用の有効性を実証した。4月28日に発表した。

 福島県における再生可能エネルギーの導入促進のための支援事業補助金による最長2年間の実証研究。2019年度は、佐藤工業が施工したミライアル東北事業所新築工事現場事務所(福島市)、戸田・佐藤・東信JV施工の福島市一般廃棄物新最終処分場建設工事現場事務所(福島市)、佐藤工業伊達支店(伊達市)の3カ所に同システムを設置し、使用した電力の再エネ割合が最大55%だったことを確認した。

 戸田建設の太陽光発電システムの設置ノウハウを活用。折板葺き屋根や縦ハゼ葺き屋根でも設置でき移設も容易な架台を用いて、各建設現場に太陽光パネルを設置した。河川や道路工事、山間部など受電が容易でない場所に点在する工事現場でも、独立して電力を供給できるという。今後も多様な屋根への対応を検証する。

 村田製作所の「All-in-One蓄電池システム」を導入した。正極材にオリビン型リン酸鉄リチウムを採用した独自のリチウムイオン電池「FORTELION」を採用。相対的に寿命が長く、安全性に優れ、大きな衝撃や圧力が加わった場合でも発火しにくいという。また、パワーコンディショナー(PCS)と蓄電池の一体型で容易に設置できる。

 さらに、各実証拠点に設置した専用リモコンからクラウド経由でデータを集約するシステムを構築した。建設現場の移設時に専用リモコンをクラウドに接続するだけで、遠隔から各拠点の発電量、充放電量(蓄電状態)、系統電力の情報を監視できるという。

 2020年度は、蓄電池システムの増設、取得データの分析により最適な制御機能を追加し、福島県内だけでなく全国の建設現場への展開に向けて実証実験のエリアを拡大する。今後1年間かけてビジネススキームの構築を目指して実証を進める予定。

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