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透明の発電素子を用いたガラス、「遮熱+発電」機能

2020/05/19 21:28
工藤宗介=技術ライター
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SQPV技術を用いて製造した高機能ガラス
(出所:NTTアドバンステクノロジ)
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 NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT、川崎市)は5月11日、発電素子に関するベンチャー企業inQs(東京都港区)が開発した無色透明型光発電素子「SQPV」(Solar Quartz Photovoltaic)技術を用いた高機能ガラス製品について、日本国内における独占販売契約を締結したと発表した。

 SQPVは、二酸化ケイ素の微粒子(Solar Quartz)を電極材料に使った高機能ガラス製品。一般的なガラス建材並みに可視光を透過しながらも、紫外光と赤外光を吸収(遮熱)して発電できる。遮熱効率は、複層ガラスの約2倍(赤外線を半分しか通さない)で、デザイン性の高い省エネ遮熱・発電ガラス材料としての用途開拓が可能としている。

 第1弾として、高機能な遮熱ガラス(省エネガラス)を10月から販売する予定。従来の遮熱ガラス(複層ガラス、Low-Eガラス)が主に光の反射効果であるのに対し、「光の吸収による、周囲の環境に配慮したZEBコンセプト」の遮熱カーテンウォールとしてZEB Ready大型ビルへの普及を目指す。具体的な性能や用途、価格などは発売時に発表する予定。

 NTT-ATとinQsは、3年前から協業しており、これまでに室内光でも高効率に発電できる極低照度型光発電素子「SQ-DSSC」をIoTの自立電源に用いた常設のアドオン振動センサー製品を開発した。化学プラントなどの防爆エリアでポンプなど動機器の故障予知に活用される。

 両社は今後、SQPVの発電能力を活用して100%以上のZEB実現に貢献するとともに、瞬間調光ガラスやIoTセンサーを組み合わせて電源不要で自立的な調光ガラスやセンサー付きガラスなどの応用製品をパートナー各社と連携して開発する。また、SQPVによる光質の変化を利用した高級野菜向け植物工場用ガラスとしての活用なども検討する。

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