JR東、鉄道事業の3~4割を「自社再エネ」で賄う

メガソーラー、風力、地熱を開発へ

2020/05/20 21:15
工藤宗介=技術ライター

 JR東日本は5月12日、2050年度の鉄道事業におけるCO2排出量「実質ゼロ」を目指す環境長期目標「ゼロカーボン・チャレンジ2050」を策定したと発表した。合わせて、2030年度までの鉄道事業におけるCO2排出量の削減目標を、2013年度比50%減の108万tとし、従来目標(同40%減)から上方修正した。

 目標達成に向けて、JR東日本が保有する「つくる~送る・ためる~使う」までのエネルギーネットワークのすべてのフェーズで新技術を積極的に導入する。また、他の企業や研究機関などと連携し、技術革新を促すための体制を整備する。

 具体的な取り組みとして、「つくる」では自営発電所の効率向上、再生可能エネルギーの整備推進、非化石証書の活用といった、低炭素電源の導入を推進する。

 「送る・ためる」では、自営電力網、回生電力貯蔵装置、超電導フライホイール、水素貯蔵供給システムといったエネルギーの有効利用に取り組む。

 「使う」では、車両の省エネ性能向上、燃料電池車(FCV)・FC(燃料電池)バスなど水素利活用、ホームLED照明や太陽光発電設備といった駅・オフィスの省エネ・再エネ設備拡大、燃料電池・地域冷暖房・エネルギーマネジメントといった先進的な環境都市づくりなど、省エネを徹底する。

 技術革新の推進では、エネルギー供給事業者と連携してカーボンニュートラルLNG、CO2フリー水素発電・供給を行う。大学・研究機関と連携して超電導き電ケーブル、CO2回収・貯蔵・カーボンリサイクルを導入する。また、メーカーと連携して車両の省エネ技術の革新、燃料電池車両などを手掛けていく。

 このほかにも、再エネ電源の開発を推進し、発電した電気を固定価格買取制度(FIT)電気として東北エリアの駅や電車に供給する。非化石証書を活用することで、2030年度までに東北エリアにおけるCO2排出量ゼロを目指す。

 JR東日本グループでは現在、1カ所のメガソーラー(大規模太陽光発電所)(30MW)、3カ所の風力発電所(計14.5MW)、車両基地などの未利用地を活用した太陽光発電設備(累計約12MW)、駅舎などの自家消費型太陽光発電設備(累計約3MW)が稼働中。

 また、1カ所のメガソーラー(17MW)と5カ所の風力発電所(計346MW)を調査・開発中のほか、1カ所の地熱発電の開発可能性を調査している。また、共同企業体による洋上風力発電(700MW)の開発可能性調査に参画している。今後、さらに太陽光・風力の調査・開発を推進し、2050年度までに鉄道事業で使用するエネルギーのうち約30~40%を賄える再エネ電源の開発を目指す。

現在のJR 東日本グループの再エネ開発計画
(出所:JR東日本)
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