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ソーラーフロンティア、太陽光パネル累計出荷6GW、住宅向けにシフト

2020/05/28 13:42
金子 憲治=日経BP 総合研究所、工藤宗介=技術ライター
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日本国内で製造した太陽光パネルは数少ない
(出所:ソーラーフロンティア)
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 ソーラーフロンティア(東京都港区)は5月27日、太陽光パネルの累計出荷容量が6GWに達したと発表した。同社は、CIS化合物半導体型と呼ぶ薄膜系パネルを生産している。

 同社の生産規模は、2010年には年産60MWに過ぎなかったが、固定価格買取制度(FIT)のスタートに合わせて10倍以上に急拡大した。2011年には、国内の主要生産拠点である国富工場(宮崎県国富町)で、年産能力900MWの体制を整えた。

 FITが2012年7月に施行され、国内に野立て型太陽光発電所の建設が急増すると、国産パネルのなかでも群を抜くコスト競争力を武器にメガソーラー(大規模太陽光発電所)向けに販売を伸ばした。2014年には約850MWを出荷、CIS型太陽光パネルメーカーとしては、世界最大の生産力を誇るまでになり、2016年10月には累計出荷量が4GWに達した。

 だが、2016年ごろから、中国企業を中心とした結晶シリコン型太陽光パネル陣営が積極的な生産投資を行い、トップ規模のメーカーは年産5GW前後の規模を武器に低価格化を推し進めた。こうしたなか、ソーラーフロンティアでは、単純な低価格競争を回避し、住宅市場を中心に付加価値の評価される市場に軸足を移す戦略に転換した。

 CIS化合物型太陽光パネルは、結晶シリコン系に比べて面積当たりの変換効率が低く、同じ出力を得るためには、設置面積が大きくなる。一方で、パネル出力(kW)当たりで得られる実際の発電量(kWh)は、結晶シリコン系よりも多くなる傾向がある。

 課題だった変換効率も徐々に向上し、当初、太陽光パネル1枚あたりの出力は130W程度だったが、現在では同190Wまで向上している。

 同社では、今後もCIS化合物型太陽光パネルの技術革新と安定生産を追求するとともに、結晶系の太陽電池もラインナップに加え、再エネ電源システム販売会社への業態転換を推進していくとしている。

 また、国富工場内に太陽光パネルのリサイクル処理施設を2020年度内に設置する計画もある。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で太陽光パネルのガラス層を剥がす技術を開発しており、同技術を用いてCIS化合物型太陽光パネルに使われる銅やインジウム、セレンを硝酸で溶解して液体で回収する。

 NEDOによる事業「太陽光発電主力電源化推進技術開発」の受託が前提で、処理費用の低減や発電所からのパネル搬送手法などを検証する。実証ラインが順調に立ち上がった場合、2023年度末までに年間処理能力はパネル3万枚、重量換算600tになる見込み。

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