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欧最大27MWの水上メガソーラー、8週間で竣工、EV充電設備も併設

2020/06/03 17:15
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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独自のフロートと施工法を採用
(出所:BayWa r.e. renewable energy)
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 ドイツの農業・工業関連企業であるBayWaの再生可能エネルギー子会社、BayWa r.e. renewable energyは、オランダにおいて、出力約27MWの水上設置型太陽光発電所を稼働させた。

 水上設置型では欧州で最大規模となる。

 オランダの湖(sandpit lake in Zwolle)の水面を活用した。13個のフロート架台を使い、約7万3000枚の太陽光パネル、192台の分散型のパワーコンディショナー(PCS)を水面に浮かべた。

 施工に新たな手法を採用したことで、大規模の水上型にもかかわらず、8週間以内という従来よりも早いペースで完工できたという。

 同社によると、従来の手法で出力25MW以上の水上型太陽光発電所を施工した場合、工期は約1年半間に及んでいたとしている。

 今回の施工は、2週間あたり8MWというペースで進んだ。最速の時期には、1日で1MW分の作業を終えたこともあった。

 独自のフロートを採用していることが大きいようだ。ドイツのZimmermann PV-Stahlbauとの提携によるもので、施工性が高く、強風や強い波、雪への対応力など安全面でも優れた構造で、かつ、点検や保守も容易としている。

 この水上型太陽光発電所は、電気自動車(EV)や電動ボートの充電設備も備える。これは、他にはない初めての設備だろうという。充電用に出力600kWの蓄電システムを設置した。

 同社では、地上設置型などと比べた水上型の利点として、水面に浮かべるだけなので導入が容易なこと、水による冷却効果で太陽光パネルの変換効率が改善すること、O&M(運用・保守)コストが下がることを挙げている。

 今回の施工によって、わずかなスペースや時間で水上型太陽光を開発できるという、新たな可能性を示すことができ、今後もさらに技術が進化するとしている。効率的な施工によって、コストが格段に下がっていくとみられる。

 同社はその後、オランダにおいて同じ工法で施工した2カ所・合計出力23MWの水上型太陽光発電所を売却した。Tynaarloにある出力8.4MWと、Sekdoornにある14.5MWである。

 この2カ所の水上型など、オランダで開発した合計7カ所・合計出力80MW以上の太陽光発電所を売却した。欧州における独立系発電事業者(IPP)では最大規模とするEncavis Asset Managementに売却した。

 地上設置型では、フローニンゲン・エールデ空港(Groningen Airport Eelde)の出力21.8MWなどである。

 BayWa r.e.のオランダにおける太陽光発電所の開発は、2018年に始まった。オランダの再エネ発電プロジェクト開発大手であるGroenLevenと提携し、開発を続けている。

 両社の提携による開発案件には、欧州最大級の合計出力約100MWという水上型太陽光発電プロジェクトもある。中国以外の地域では最大の水上型太陽光発電所としている。

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