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外洋の海上で太陽光発電! 風力・波力発電も融合、独企業が開発

2020/06/05 16:23
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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「floating Ocean Hybrid Platform」の完成予想図
(出所:Sinn Power)
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 ドイツのスタートアップ企業であるSinn Powerは、太陽光発電、風力発電、波力発電(wave energy)を融合し、海上に浮かべるシステム「floating Ocean Hybrid Platform」の事業化を目指している。

 水上型太陽光発電で太陽光パネルを水面に浮かべる部材であるフロートを使い、太陽光パネルに加えて、風車や波力発電設備を設置する。世界各地の沿岸近くの海に浮かべ、オフグリッドの再生可能エネルギー電力として供給できるプラットフォームを確立する。

 ギリシャのクレタ島北部のイラクリオ(Iraklio)沖において、試作したプラットフォームを使い、今夏に太陽光パネルの実証運用をはじめると発表した。太陽光パネルメーカーに参加を促している。

 同社は、2015年に波力発電システムの開発に取り組み始め、関連技術を確立した。現在では、波力発電設備、パワーエレクトロニクス関連、エネルギー貯蔵システムを販売している。

 フロートによる波力発電システム(floating wave energy system)では特許を有し、この特許やこれまでの研究成果を応用して、太陽光・風力発電も融合したシステムを開発している。

 海上に浮かべるのはモジュール式の構造物で、これまでの同様の取り組みに比べて、堅牢かつコスト競争力があるとしている。

 この構造は、長期間の検証において、高さ6mまでの波に耐えられるという。

 これによって、外洋に浮かべて運用できる。外洋を活用したこれまでにない再エネ発電システムで、太陽光や風力発電にも新たな可能性を切り開くと強調している。

 沿岸地域におけるオフグリッドの電源として、増えつつある再エネ発電と蓄電システムの組み合わせによる構成よりも、競争力が高い手法になるとしている。

 これまで、波力発電や潮力発電は事業化が難しく、開発や実証にとどまっている例が多かった。この壁を乗り越えて事業化できるのか、また、太陽光パネルを海上に浮かべるには、これまで以上に塩害に強い仕様であることが求められる。パネルメーカーの対応にも関心が集まる。

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