ニュース

IHI、藻から製造のジェット燃料で国際規格を取得

2020/06/11 11:15
工藤宗介=技術ライター
印刷用ページ
微細藻類からのバイオジェット燃料の製造プロセス
(出所:NEDO、IHI)
クリックすると拡大した画像が開きます

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とIHIは6月8日、微細藻類から製造した「バイオジェット燃料」(バイオマス由来の航空機燃料)が国際規格「ASTM D7566 Annex7」を取得したと発表した。既存燃料と混合して民間航空機の運航に供給することが可能になる。

 NEDOとIHIは、2017年度から、高速で増殖する微細藻類(高速増殖型ボツリオコッカス)を大量に培養し、微細藻類が生成する藻油から燃料を一貫製造するプロセスの次世代技術開発事業に取り組んでいる。鹿児島県とタイ・サラブリー県において事業化に向けた培養試験を進めている。

 今回承認されたASTM D7566規格は、国際的な標準化・規格設定機関であるASTM Internationalが定めるバイオジェット燃料の製造に関する規格になる。同規格に適合した燃料は、既存ジェット燃料のケロシンと同性状であり、混合使用してもエンジンなどの航空機材や燃料供給設備といったインフラの改修を必要としない「ドロップイン型燃料」とみなされる。

 また、Annex7は、微細藻類ボツリオコッカス・ブラウニー(Botryococcus braunii)から生産した粗油(炭化水素を主成分とする)を水素化処理で合成したバイオジェット燃料に関する新しく付加された規格であり、微細藻類が単独の原材料として明記される。なお、規格申請企業はIHIになる。

 今後は、バイオジェット燃料生産について、早期の商業事業化を目指す。また、燃料製造・供給に向けたサプライチェーン構築の検討を進めていく。2020年度中に国内定期便でバイオジェット燃料を利用した商用飛行デモフライトを予定している。

  • 記事ランキング