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古河グループが「バイポーラ型蓄電池」、再エネ急増に伴う長周期対策を想定

2020/06/11 11:47
工藤宗介=技術ライター
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系統の長周期変動改善に活用
(出所:古河電気工業、古河電池)
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バイポーラ型蓄電池のイメージ
(出所:古河電気工業、古河電池)
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 古河電気工業と古河電池は6月9日、次世代型の鉛蓄電池「バイポーラ型蓄電池」を共同で開発したと発表した。世界的な再生可能エネルギーの大量導入に対応し、需給バランス改善のキーデバイスになるとしている。

 独自のメタル・ポリマー技術を生かすことで、これまで困難とされてきた量産による実用化を可能にしたという。2021年度中にサンプルを出荷し、2022年度から製品として出荷を開始する予定。

 「バイポーラ型蓄電池」は、1枚の電極基板の表と裏にそれぞれ正極と負極を配置した構造が特徴。従来の鉛蓄電池と比べて材料を削減でき、体積あたりの容量が向上することにより重量エネルギー密度は従来の鉛蓄電池の約2倍になる。

 電極基板の積層化によって設計自由度の高い電池構成が可能になり、コスト競争力の向上も期待できるという。電力貯蔵用リチウムイオン蓄電池と比較して、消費電力量あたり単価は50%以下となり、発火や火災といった安全面でも優位性を持つとしている。

 試作段階の製品は定格電圧48V、容量50Ahで、概略寸法は縦300×横200×厚さ250mmとなる予定。電力貯蔵用リチウムイオン電池に匹敵する0.2CA充放電特性を持つ。

 太陽光や風力の大量導入に伴う需給調整には、秒から分単位の充放電で周波数などを安定化する短周期変動対策と、ピークシフトなど時間単位の需給バランスを維持する長周期変動対策がある。「バイポーラ型蓄電池」は、長周期変動への対応に向いているという。

 同社では、2030年に1.5兆円規模に達するとされる電力貯蔵用の蓄電池市場のうち、長周期変動の用途は約半分と想定しており、主にそのニーズに応えるとしている。

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