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まるで「南米のハスの葉」、アルバニアで水上メガソーラー

大きな膜に両面ガラスパネルを装着

2020/06/18 13:13
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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アルバニアの貯水池における設置予想図
(出所:Statkraft)
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水面に浮かべた膜に太陽光パネルを固定する
(出所:Ocean Sun)
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フロートの構造
(出所:Ocean Sun)
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1つで230~600kWの太陽光発電システムを載せたハスの葉状のフロートで発電所を構成する
(出所:Ocean Sun)
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両面ガラス、独特のジャンクションボックスを採用したパネル
(出所:Ocean Sun)
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連系設備も船に載せて浮かべる
(出所:Ocean Sun)
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 ノルウェーの再生可能エネルギー関連企業であるStatkraftは6月16日、アルバニアにおいて、出力2MWの水上設置型太陽光発電所を開発していると発表した。

 実証プロジェクトによる案件とし、投資額は、200万ユーロ(約2億4036万円)としている。

 アルバニアにある貯水池(Banja reservoir)の水面を活用する。この貯水池は、Statkraftが出力72MWの水力発電所(Banja hydropower plant)を運営している場所でもある。

 太陽光パネルを水上に浮かべる部材であるフロートは、ノルウェーのベンチャー企業であるOcean Sun製を採用した。

 Ocean Sunのフロートは、他社製には類を見ない独特のものとなっている。まるで南米のハスの葉のように、大きな皿のような形状を水面に浮かべる。そこにそのまま太陽光パネルを組み込んだような構造となっている。

 ここに太陽光発電システムがすべて載る。直径が73mで太陽光パネルの出力525~600kWのタイプのほか、直径51mでパネル出力が230~260kWのタイプがある。

 それぞれ、定格容量が100kW、185kWの小型のパワーコンディショナー(PCS)を3台載せる。直流の入力電圧は1500V、交流の出力電圧は800Vに対応している。

 太陽光パネルは、トランポリンの膜のような構造の上に貼ったような状態となる。架台に固定するのではなく、強化薄膜(Reinforced membrane)に固定する。

 このため、太陽光パネルは真上を向いている。

 太陽光パネルも独自のものとしている。両面ガラスを採用し、セル(発電素子)60枚の構成で、水上での使用に適した専用のジャンクションボックスを備える。アルミフレームなどは、海上でも使用できる仕様としている。

 複数のフロートからの送電を束ねる集電箱や、連系用の昇圧変圧器は、近くに専用の船を浮かべてそこに載せるようである。

 今回の実証プロジェクトでは、さらに新たな技術を導入したフロートを採用するようだ。1つのフロートあたり、太陽光パネル出力500kWの単位で発電システムを載せる。

 1つ目のフロートによる500kWの発電システムは、6月中に着工し、2020年第4四半期に設置が完了する。

 2021年には、このフロートを3つ追加する。これによって、太陽光パネルの出力は2MWに拡大する。

 今回のフロートは、Statkraftにとって縁が深い多くの地域において、コスト競争力が高い水上太陽光発電所を開発できる手法とし、同社にとって新たな再エネ発電事業の柱になりうるとしている。

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