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関電、水力向け「水面ドローン」、導水路を点検

2020/06/18 21:44
工藤宗介=技術ライター
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水面ドローン
(出所:関西電力)
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 関西電力は6月11日、水力発電所の導水路内部を点検できる「水面ドローン」を開発したと発表した。同社が所有する水力発電所の点検業務に活用するほか、同社子会社の環境総合テクノス(大阪市)と連携して、他電力会社や自治体など社外からの受託も視野に入れる。

 水力発電所の導水路では、概ね6年に1回の頻度で水を抜き内部を点検する。点検員が数kmに渡る導水路内を歩き、約2日間かけて壁を懐中電灯などで照らしながら目視で確認する。同手法は、発電停止で電力量が大きく減少するほか、点検員の負担が大きく、暗所のため錆や損傷箇所を確認しにくいなどの課題があった。

 今回開発した水面ドローンは、浮体式の躯体に気中カメラ2台、水中カメラ3台を搭載した。また、鮮明な映像撮影に向けて水面ドローンを側壁沿いに押し付けた状態で流下させるため、側壁に近接したスラスターを2台、速度を抑えながら安定して流下させるための流下抑制用のスラスターを1台搭載した。

 導水路を通水したまま壁面近くを安定して走行可能で、水面上および水中の壁面をくまなく撮影できる。現状の点検手法と比較して、発電が停止する期間が半分となり電力量の減少を抑制できる。加えて、点検員の負担が軽減でき安全性や効率性を向上できるほか、導水路の壁面近くを撮影できるため錆や損傷を確認しやすいといったメリットがある。

 同社水力発電所の約90カ所で活用することで、点検にかかる日数を約90日短縮できる。発電停止に伴う電力量の減少抑制や点検コストの削減により40%以上の収益改善が見込めるという。また、他社の水力発電所や自治体管理の水路の点検業務により、当初1年間で5件の受注、1000~2000万円程度の売り上げを目指す。

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