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従業員の送迎に「燃料電池バス」、東京・有明で運行

2020/06/19 13:40
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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トヨタ自動車の燃料電池バス「SORA」
(出所:シダックス)
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 外食や車両運行管理サービスなどを手掛けるシダックスは、契約企業の従業員送迎バスに燃料電池バスを導入し、6 月22 日から東京・有明地区で運行を開始すると発表した。

 グループ企業の大新東(東京都渋谷区)が導入した。従業員送迎バスに燃料電池バスを使用するのは国内初の試みという。

 大新東は2016年から自社が保有する車両を用いて、今回の契約企業(約 2000人)の従業員用送迎バス、合計16台を運行している。6月下旬からこのうち 1 台を燃料電池バスに切り替える。導入する燃料電池バスには、トヨタ自動車製の「SORA」を採用した。

 「SORA」は、トヨタが2018年に国内で初めて型式認証を取得して販売を開始した燃料電池バスで、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東京を中心に100台以上の導入が予定されている。すでに都営バスのほか、東急バスや京浜急行バスが路線バスに採用している。

 700気圧の高圧ガスタンクに水素を充填しておき、固体高分子型(PEFC)の燃料電池システムを使って発電して、モーターで走行する。また同車は、外部に給電するシステムを備えており、災害時には非常用電源として活用できる。

 燃料電池は、水素と酸素を化学反応させて直接、電気を生み出すため、走行中にCO2を排出しない。東京オリンピック期間中は、福島県浪江町で太陽光発電の電気で水素を製造し、都内に運搬して燃料電池車に供給する計画がある。その場合、水素製造時を含めてもCO2を排出しない、脱炭素型の運送サービスを実現できる(関連記事:20MWのメガソーラーを「自家消費」、浪江町で水素製造) 。

 大新東は、1962 年に企業や官公庁、自治体などが保有する役員車、送迎バスなどの運転 から車両メンテナンスまでを一括して行う国内初の自家用自動車管理業を開始した。現在、役員車・公用車・旅客バスなど全国で約3600 台の車両運行サービスを手掛けている。

 2000 年には、従業員用送迎バスを含む一般貸切旅客自動車運送事業にも参入した。2020年6月現在、全国で約230台の従業員送迎バスの運行業務を受託している。

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