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自然電力、「太陽光+蓄電池」で第三者所有PPA、ピークカットと非常時対応

2020/06/26 13:35
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ、工藤宗介=技術ライター
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ミニマムグリッドの全体イメージ
(出所:自然電力)
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ピークカットのシミュレーションイメージ
(出所:自然電力)
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 自然電力(福岡市)は6月22日、太陽光発電と蓄電池、それらを制御するエネルギー管理システム(EMS)を組み合わせた「ミニマムグリッド」サービスの提供を正式に開始したと発表した。太陽光発電により電力を自給自足し、商用の系統電力に依存する時間を最小化(ミニマム)する。

 平常時は、電気代が高い時間帯や電力使用量の多い時間帯に積極的に蓄電池から放電してピークカットを行い、より安価に電気を利用できるようにする。また停電時は、自立運転して電力を提供し、施設単体だけでなく地域コミュニティにおける防災用のエネルギー拠点として活用する。

 需要家が補助金などを活用して自己所有する方式と、第三者所有(TPO)のPPA(電力購入契約)モデルにより施設側の初期投資をなくす方式――の2種類を提案する。TPO-PPAモデルの場合、屋根の大きさ、電気使用量、補助金の有無に加えて、同社の電力サービス「自然電力のでんき」を組み合わせることで、従来の電気代と同程度で提供可能としている。

 第1号案件として、宮城県都城市の福祉施設「長遊園」に、出力200kWの太陽光発電と容量232kWhの蓄電池を設置した。中国LONGi製の太陽光発電パネルと米テスラ製の産業用蓄電池「Powerpack」(出力58kW、容量232kWh)、独SMAソーラーテクノロジー製のパワーコンディショナー(PCS)、EMSを一括で構築した。余剰電力の売電は行わず、蓄電池に充電しきれない場合は逆潮しないよう太陽光発電の出力を抑制する。

 補助金を活用した需要家所有による方式で、5月に運転を開始し、6月10日に引き渡しを完了した。

 2017年の台風18号による数日間の停電の経験により、長期間の停電時でも入所者の健康のために電気を安定供給し、空調環境、ケア設備が維持できるようにすることが経営課題だった。ミニマムグリッドの導入により、災害時に停電した場合でも夏季・冬季の冷暖房など最低限の設備を2日間以上維持できるという。

 省エネ仕様である同施設は、当初から同規模の施設と比べて電気の消費量が約半分まで効率化されているが、ミニマムグリッドの導入によって更なる電力購入量の削減が見込まれる。

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