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福島で「再エネ水素」チェーン実現、燃料電池が稼働

2020/07/01 15:32
工藤宗介=技術ライター
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あづま運動総合公園に設置した「H2Rex」
(出所:東芝エネルギーシステムズ)
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Jヴィレッジに設置した「H2Rex」
(出所:東芝エネルギーシステムズ)
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 東芝エネルギーシステムズ(川崎市)は6月29日、あづま総合運動公園(福島市)およびJヴィレッジ(福島県楢葉町)に純水素型の燃料電池システム「H2Rex」を納入し、このほど発電を始めたと発表した。

 7月から本格稼働を予定する「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」(福島県浪江町)で製造した水素を用いて発電する。

 燃料電池システムには、都市ガス(メタンガス)を燃料に、内蔵した改質器で水素を取り出して燃料電池を稼働させる方式もある。製品化されている「エネファーム」はこのタイプになる。「H2Rex」は、水素を直接用いて発電する方式で、改質工程がない分、約5分の短時間で発電を開始できるのが特徴。

 あづま総合運動公園とJヴィレッジに設置した装置で発電した電力は照明や空調など各施設の電力の一部として供給されるほか、発電過程で発生する熱は給湯に活用される。出力は、あづま運動総合公園が100kW、Jヴィレッジが700kW。

 「FH2R」は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、東北電力、岩谷産業と同社が共同建設した、出力20MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を併設した水素製造施設。世界最大級となる10MW級の水素製造装置を備え、再エネ電力を活用したCO2フリー水素製造技術の確率を目指し実証を行っていく(関連記事:20MWのメガソーラーを「自家消費」、浪江町で水素製造)。

 福島県では「福島新エネ社会構想」のもと、再エネから水素を作り、貯め・運び、使うといった未来の新エネルギー社会の構築に取り組んでいる。今回のH2Rex導入もその一環で、FH2Rからの水素で発電を開始したことにより、福島県で作られた水素によるサプライチェーンが実現した。

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