ニュース

「3次元追尾式」ソーラーシェア、作物により日照可変

2020/07/01 16:01
工藤宗介=技術ライター
印刷用ページ
ノータスソーラーデモプラント
(出所:ノータス)
クリックすると拡大した画像が開きます

 ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)のコンサルティング、開発を手掛けるノータス(大阪市)は6月29日、3次元追尾式のソーラーシェアリング用架台「ノータス架台」の実証実験プラントを滋賀県竜王町に建設したと発表した。同社では、この架台を用いた再生可能エネルギー事業「ノータスソーラー」を本格展開する。

 ノータス架台は、伊REMTECが開発した3次元追尾式太陽光発電架台技術「アグロボルタイコ」を採用した。ノータスのグループ会社であるノータスソーラーが同技術の日本国内における独占製造販売権を取得して製造し、独占販売契約を締結するノータスが販売する。1kWあたりの設置面積は15m2以上、1kWあたりのEPC(設計・調達・施工)コストは19万6000円から。

 3次元追尾機能により太陽光パネルを最適な角度で太陽に向け、発電できる。固定型と比べて146%の高い発電効率を実現したという。また、農作物の発育に影響が出た場合、太陽光パネルの角度を変えることでパネルが作る影を最小限にして日影の影響を減らす。作物によって日照を調節できるため、作付け品種を限定せず栽培できるという。

天候に応じて太陽光パネルの向きを自動的にセーフティポジション(強風時は水平、積雪時は垂直)に変更し破損を防ぐ。幅と奥行きが12m、高さが4mと、従来の架台より広い営農空間が確保でき、大型農機も利用えきるとしている。

 ノータスソーラー事業では、農地上への架台設置に加えて、ソーラーシェアリングに関して総合的なコンサルティングを提供するという。

 例えば、設置に必要な農地の一時転用許可に必要な手続きをサポートしたり、パネル下部での栽培ノウハウなど営農面も支援したりする。実証実験プラントの設置に先行して2019年から営業活動を進めており、すでに国内で1MWの受注と50MW以上の開発相談を受けているという。

 従来のソーラーシェアリングは、パネルの影や農機の利用制限など営農に対する負担の大きさが問題となり、期待された開発規模を大幅に下回っているのが実情という。同社では、架台の技術的ブレイクスルーによって生産作物の制限がなくなり、大型農機も利用できるようになったとしている。

  • 記事ランキング