ニュース

効率30%超の太陽光パネルをEVに搭載、外部充電が不要も

2020/07/07 21:29
工藤宗介=技術ライター
印刷用ページ
1kW超の太陽光パネルを搭載したEV実証車
(出所:シャープ)
クリックすると拡大した画像が開きます
1kW超の太陽光パネルを搭載したEV実証車
(出所:シャープ)
クリックすると拡大した画像が開きます

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とシャープは7月6日、NEDO事業で開発した高効率太陽電池技術を活用して、電気自動車(EV)用太陽光パネルを製作したと発表した。定格出力1kW超を達成し、走行距離や走行時刻などの利用パターン次第では、外部から充電しなくても走行可能という。

 NEDOは、2014年9月に策定した「太陽光発電開発戦略」のなかで発電コスト低減目標達成のため、革新的な太陽電池を開発する事業を推進。その一環でシャープは、III-V化合物3接合型太陽電池技術を用いて、変換効率31.17%の太陽光パネルを開発した。

 今回、移動体への太陽電池搭載の可能性を検証するため、III-V化合物太陽光パネルと同等のセル(発電素子)を活用してEV用太陽光パネルを開発した。約0.03mmの薄いフィルム状で車体の曲面に沿って効率よく搭載できる。設置面積が広いミニバンタイプのEV「e-NV200」に搭載し、出力1150Wを実現した。蓄電池は容量40kWhを搭載する。

 今後はEV実証車の航続距離や充電回数などを評価し、車載用太陽電池の普及活動に活用する。また、トヨタ自動車が実施したシャープ製太陽光パネル搭載のプラグ・イン・ハイブリッド実証車(太陽電池の出力約860W、蓄電池容量8.8kWh)による公道での走行実証のデータと合わせてIEA PVPS task17などの国際的な調査活動に活用する。

 NEDOは、29016年4月に「太陽光発電システム搭載自動車検討委員会」を設置し、太陽光発電を搭載した自動車に関して、調査・検討した。2018年1月に公表した中間報告書で「変換効率30%以上の太陽光パネルを使用すれば、自動車のような限られた設置面積においても、1kWの発電電力を実現することが可能」「ユーザーの利用パターン次第では、年間の充電回数をゼロにできる」と試算している(関連記事:太陽電池だけで「街乗り」可能なPHV、実証車を公開)。

  • 記事ランキング