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CO2分離・カーボンリサイクルの世界市場、2030年に5兆円超に

2020/07/09 21:04
工藤宗介=技術ライター
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CO2分離回収試験装置の外観
(出所:東芝エネルギーシステムズ)
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 富士経済(東京都中央区)は7月2日、2019年のCO2分離・カーボンリサイクル関連の世界市場は4兆8569億円だったとの調査結果を発表した。同市場は今後も拡大を続け、2030年には2019年比17.2%増の5兆6928億円に拡大すると予測している。

 CO2分離技術5品目、CO2分離材料5品目、CO2利活用13品目、CO2原料ソース7品目の市場について調査・分析した。CO2分離技術は、化学吸収と物理吸収が80%以上を占め、主に天然ガスや水素を製造する際に発生するCO2の除去に利用される。近年、温室効果ガス削減対策やCO2原料確保のため、排ガスからのCO2回収での利用も増加している。CO2分離材料は、2019年は物理吸収液や高分子膜が伸びている。

 CO2利活用プラントは、現状はCCS(CO2分離・固定)プラントとEOR(石油回収増進)プラントが大半だが、カーボンリサイクルに向けてCO2利用化学品やE-Fuel(カーボンフリー水素やCO2を反応させて作る合成燃料)の実証プラントが相次ぎ稼働し、2030年以降の実用化に向けて技術開発が進められている。CO2利活用製品は、尿素化が大半を占め、新興国を中心に伸びている。2025年以降はミネラル化が成長する見通し。

 世界のCO2分離量は、2019年は7億6314万tだった。分離技術は、化学吸着が61.6%を占めるが、物理吸収は天然ガス分野、物理吸着は石油精製分野などで一定量利用されている。今後、各分離技術の進展により分離量は増加し、2030年には8億9242万tになると予想する。

 世界のCO2発生量は、2019年は331億9053万t、2030年は2019年比1.4%増の336億41251万tに増加すると予測する。なお、2020年は新型コロナウイルス感染症の影響で一時的に落ち込むと見られる。発電所での発生量が最も多く、2019年は全体の40%以上を占める。今後、石炭火力の減少と再生可能エネルギーの普及により、2022年頃をピークに減少に転じる見込み。一方、輸送分野では、新興国の自動車保有台数増加に伴い今後もCO2発生量は増加するという。

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