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東御市でバイオマス発電、地域の未利用材で、清水とトヨタ販社

2020/07/21 12:08
工藤宗介=技術ライター
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稼働した木質バイオマス発電所
(出所:清水建設)
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 清水建設と長野県のトヨタ自動車販売会社など10社で構成されるトヨタ ユー・グループの合弁会社である信州ウッドパワー(長野県東御市)は、長野県東御市の羽毛山工業団地に木質バイオマス発電所を建設し、7月15日から稼働した。

 地球温暖化防止とともに、長野県東部における林業振興や地方創生に貢献するとしている。

 木質バイオマス発電所の出力は1.99MW、年間発電量は約1350万kWhを見込む。発電プラントは三菱日立パワーシステムズインダストリー製、チッププラントは富士鋼業製、自動クレーンは日立プラントメカニクス製を採用した。建築物の設計施工は清水建設が担当した。発電電力は中部電力に売電し、年間5億4000万円程度の売上高を見込んでいる。

 燃料には、信州ウッドパワー子会社の信州ウッドチップが地域の森林から調達する原木を原材料とする掘削チップを用いる。間伐材など未利用材のほかマツクイムシ被害材をチップ化し燃焼できるため、マツクイムシ被害材の処理、森林の保全・育成にも貢献できるという。燃料原木の年間使用量は約3万t、地元の森林施業者、森林組合、山林所有者などからの購入額は年間1億5000万円以上になる見通し。

 地域密着型のバイオマス発電を普及させ、林業でのICT活用を促す先進的な取り組みにもつなげる。具体的には、発電プラントの運用を遠隔地から支援する運用支援システム、燃料原木の調達ルートを認証できるGPSトレーサビリティーシステムを導入した。プラント運用支援システムは三菱日立パワーシステムズインダストリー、GPSトレーサビリティーシステムはJEMSとの共同開発。プラントへの燃料チップ投入作業も自動化した。

 このほかにも、発電所の運用およびチップ製造で12人の新規雇用を創出した。清水建設は今後、木質バイオマス発電の適地調査を継続的に実施し、今回の東御市と同等規模の2MW級発電所をパッケージ化した発電事業の立ち上げを目指す。

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