赤外線と可視画像カメラを一体化、太陽光ドローンが小型・軽量に

2020/07/21 17:06
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
重量は42.8g、寸法は24mm×45mm×36mmと軽くて小さい
(出所:FLIR Systems)
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 赤外線カメラ・モジュールを手掛ける米FLIR Systemsは7月16日、ドローン(無人小型飛行体)向けに、世界初となる「赤外線カメラと可視画像カメラを一体化したモジュール」を製品化したと発表した。

 「FLIR Hadron」という名称で販売する。可視画像の解像度は1200万画素、赤外線では最大60Hzのフレームレート、320×240画素の動画に対応している。

 ドローンを使った太陽光パネルの点検では、これら2つのカメラを使うことから、一体化したモジュールを使う利点が大きい。

 従来は、赤外線カメラと可視画像カメラのモジュールをそれぞれ購入し、ドローンに搭載していた。ドローンにカメラを固定するジンバルと呼ばれる部材も、2つのカメラの寸法や重量に合わせ、安定した飛行と撮影ができるように設計、調整することが必要だった。

 ドローンのメーカーがオプションや特注で赤外線カメラ付きの機体を販売している例もあるが、2つのカメラ・モジュールを載せることから、高額で機体が大きく、重くなることがほとんどとなっている。

 一体化したモジュールの登場によって、両方のカメラを1台に搭載するドローンを、開発期間を短く、かつ低コストで開発できる環境に変わる可能性が高い。

 重量は42.8g、外形寸法は24mm×45mm×36mmと軽くて小さく、機体の小型・軽量化にも寄与する。

 FLIR Systemsは詳細な仕様などを明らかにしていないが、可視画像に含まれるGPS(全地球測位システム)や撮影時刻のデータを、同時に撮影した赤外線カメラの画像と関連付けられる使用法を実現できる可能性がある。

 これが実現すると、ドローンによる太陽光パネルの点検で大きな課題となっている、赤外線カメラの空撮画像上で異常を示しているパネルの位置の特定や、その画像を使った報告書の作成などの作業が格段に効率化できる。

 FLIR Systemsは、一体化したモジュールを、米国のドローン関連ベンチャーであるVantage Robotics、Teal Dronesと共同で開発した。

 Vantage Roboticsは、このモジュールを組み込んだ自社の小型ジンバル(ドローン用カメラ固定具)を製品化した。小型で、安定感も高い赤外線・可視画像カメラ一体型のジンバルとして、ドローンの開発・製造企業向けにOEM(相手先ブランド品)供給している。

 Teal Dronesは、開発中の自社の軍事向けドローン「Golden Eagle」に採用した。機体の重量を1kg以下に軽量化できたことで、稼働時の消費電力が低減し、1回の充電で飛行できる航続時間を長くできたとしている。