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九電の再エネ・出力制御、前年度は74回、1案件最大24回

2020/07/21 21:55
金子 憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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 九州電力は7月16日、2019年度の再生可能エネルギー発電に対する出力制御(出力抑制)の実績を公表した。それによると、2018年度に合計26回だったのに対して、2019年度は合計74回に急増した。最も回数の多かった月は4月の20回、1回の最大制御量は3月8日・日曜日の289万kWだった。

 1事業者当たりの制御回数は、オフライン制御対象案件が23~24回、オンライン制御案件が15~16回だった。オフライン制御の方が多くなったのは、2019年10月以降、出力制御量を低減するため、前日指令を実施する出力制御量は「平均誤差相当」をもとに算出し、オフライン制御を優先して割り当てる運用方法を採用したことが影響した。

2019年度の再エネ出力制御実績(九州本土)
(出所:九州電力)
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 九電では、2019年度の再エネへの出力制御による「逸失電力量比率」を4.1%と試算している。「逸失電力量比率」とは、出力制御によってロス(損失)となった発電量の割合で、「出力抑制量÷(出力抑制量+再エネ発電量)×100」で算出する。

 固定価格買取制度(FIT)で、「30日ルール」を適用されている案件は、年間の出力制御日数を最大「30日」とし、それを超えた分は、補償される。一方、接続可能量を超えて接続契約申し込みとなった案件では、無制限・無補償の出力制御となる。オフライン制御の場合、2019年度に24回に達しており、近い将来、「30日ルール」適用者が「30回」に達した場合、無制限・無補償を条件に接続した案件の方が、制御回数が多くなる可能性がある。

 九電では、現在、前日の再エネ出力制御量(オフライン制御量)の算定においては、過去3年の実績の上振れが発生したケースにおける「平均誤差」を用いて算定している。ただ、「平均誤差」を用いた場合、需給日の気象特性(天候や風の変化など)が考慮されていない。

「平均誤差相当」をもとにした現在の出力制御量の算定手法
(出所:九州電力)
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 そこで、「確率論的手法(アンサンブル予測手法)」の採用を検討している。この手法の場合、気象特性に応じたより実需給に近い誤差量を適用することで、実績から計算した平均誤差よりもその範囲を低減できる可能性があるという。

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