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アブダビで「世界最安・世界最大」、2GWを1.35米セントで売電

フランスEDFと中国ジンコソーラー系が開発

2020/07/29 18:37
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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画像の出力1.177GWの「ギガソーラー」 の成功を、2GWのプロジェクトにつなげたという
(出所:アブダビ首長国政府)
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エミレーツ水電力公社が運営している太陽光発電所の例
(出所:エミレーツ水電力公社)
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 アラブ首長国連邦(UAE)・アブダビ首長国のエミレーツ水電力公社(Emirates Water and Electricity Company:EWEC)は7月26日、世界最大規模となる出力2GWの太陽光発電所から電力を調達すると発表した。

 この出力2GWの「ギガソーラー」は世界最大規模であるとともに、1.35米セント/kWhという世界最安の単価で売電する。

 エミレーツ水電力公社は今回、発電事業者の主要株主との間で協定と電力購入契約(PPA)を締結した。PPAの期間は、30年間と長い。

 2021年上期に部分的に発電を開始し、2022年上期にすべての設備の発電が開始する予定となっている。2022年上期のフル稼働後の年間発電量は、一般家庭約16万世帯の消費電力に相当する量を見込んでいる。

 2GWの太陽光発電プロジェクト「Al Dhafra Solar Photovoltaic (PV) Independent Power Producer (IPP) project」は、アブダビ国営エネルギー公社(Abu Dhabi National Energy Company:TAQA)、アブダビの再生可能エネルギー会社であるマスダール(Masdar)が主導し、パートナー企業と開発する。

 パートナー企業は、フランス電力公社(EDF)と、中国の太陽光パネル大手であるジンコソーラーホールディングの発電事業会社、ジンコパワー(JinkoPower)による共同企業体である。この2社が実質的な発電所の開発事業者となる。

 プロジェクトの60%をアブダビ国営エネルギー公社とマスダールによるコンソーシアムが所有する。残りの40%を、EDFとJinkoPowerが所有する。

 出力2GWの太陽光発電設備は、アブダビ・シティ(Abu Dhabi city)から約35kmの場所に設置する。

 太陽光パネルは、ジンコソーラー製の両面発電パネルを採用する。

 今回の出力2GWの「Al Dhafra Solar PV IPP project」の稼働後は、アブダビ首長国の太陽光発電の合計出力が3.2GWに増える。

 アブダビ首長国では再エネを大規模に導入し、2030年に国内の電力需要の約50%を再エネで賄う目標を掲げている。今回のプロジェクトはその実現に大きく寄与するとしている。

 今回の2GWプロジェクトが稼働すると、国内の再エネ容量は合計3.2GWに達する。

 3.2GWのうち、残りの1.2GWは、2019年に稼働した「Noor Abu Dhabi solar plant」による。

 この発電所も、開発当初は他に例を見ない規模の「ギガソーラー」で、かつ、落札単価の「2.42米セント/kWh」は当時の世界最安として太陽光発電の低コスト化を示す代表的なプロジェクトだった。アブダビ水電力省(Abu Dhabi Water and Electricity Authority:ADWEA)が主導し、ジンコソーラーのほか、丸紅が参画している(関連記事)。

  

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