日立造船、山梨県のP2G実証向け1.5MWの水電解装置、固体高分子型

2020/08/01 12:53
工藤宗介=技術ライター
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実証研究のイメージ
(出所:日立造船)
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実証地に隣接する「米倉山太陽光発電所」
(出所:日経BP)
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 日立造船は7月17日、山梨県から固体高分子型水電解大型セルスタック電解槽を受注したと発表した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「CO2フリーの水素社会構築を目指したP2Gシステム技術開発」の実証研究用に導入し、太陽光発電の電力から、CO2を排出しない「CO2フリー水素」を製造する。

 同実証研究は、山梨県企業局が東レ、東京電力ホールディングス、東光高岳と共同で実施する。再生可能エネルギーの導入拡大とCO2フリー水素エネルギー社会構築に向けて、米倉山実証試験用太陽光発電所(甲府市)に水素発生装置を設置し、季節や時間によって変動する余剰電力を使って水素を製造して貯蔵・利用を目指す(関連記事:山梨県、「太陽光+P2G」の成果公表、次は1.5MW級水電解装置で) 。

 今回導入する固定高分子型水電解大型セルスタックは、日立造船が開発した大型水素発生装置「HYDROSPRING」をベースにしたもの。2019年6月に500kWの電解槽を1槽受注済みで、今回さらに500kWを2槽受注した。3槽合計で1.5MWの電力から400Nm3/hの水素を供給できる。2020年度内に納品する予定。

 隣接する東京電力の出力5MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「米倉山太陽光発電所」とも連携して、太陽光の電力で、水素を製造する計画。

 日立造船は、2000年にHYDROSPRINGの販売を開始し、2018年にはMW級発電施設に対応可能な大型装置を開発した。これまでに実証研究などの用途で約30台の納入実績がある。

 なお、海外のP2G事業の動向に関しては、⽇経BP 総合研究所が7⽉31⽇に発⾏した「世界⽔素ビジネス-全体動向編-」の中で詳しく解説している。本書は技術解説のほか、中国・韓国・欧⽶豪の戦略を分析、2050年までの⽔素普及シナリオを描いている(「世界⽔素ビジネス-全体動向編-」の案内サイト)。

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