マイクロソフト、ディーゼル燃料不使用へ、「カーボンネガティブ」筋道公表

2020/08/04 23:08
工藤宗介=技術ライター
マイクロソフト「カーボンネガティブ」への筋道
(出所:マイクロソフト)
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 マイクロソフトでは、2030年までに事業活動におけるCO2 排出量より多くの炭素を抑制または除去する「カーボンネガティブ」を実現し、2050年までに1975年の創立以来排出してきた全ての炭素と同量以上を環境から排除するという公約を掲げている。

 7月21日に、この「カーボンネガティブ」実現に向けた新たな取り組みを発表した。

 2025年をめどにデータセンターで利用する電力を100%再生可能エネルギーで賄えるよう買電契約を結ぶ方針を掲げているが、今回新たに2030年までにディーゼル燃料の使用を停止することを目指すと発表した。一般的にデータセンターのバックアップ電源にはディーゼル発電機が用いられる。ディーゼル燃料は同社の全排出量の1%にも満たないが、今後水素やエネルギー貯蔵などの低炭素燃料源に移行する計画。

 また、2020年度から100万tの炭素を環境から除去する取り組みを推進する。第1弾として、純粋にカーボンネガティブで高い科学的整合性が検証されている手法で炭素排除を可能にする提案依頼書(RFP)を発行し、炭素排除に関する科学と市場を収集・共有する。各プロジェクトは、非営利団体Winrock International、気候科学分野トップの学者が集結する顧問会社Carbon Directといった、第三者の科学および市場アドバイザーが厳密に審査・検証する。

 再エネ分野への投資では、脱炭素化や分散化エネルギー産業への移行に取り組むベンチャー企業Energy Impact Partners(EIP)に5000万ドルを投資する。さらに、再エネの開発・投資を手掛けるSol Systemsとパートナーシップを締結し、500MWの再エネ電力の確保に取り組んでいく。このほかにも、コミュニティ主導の助成金や投資金として少なくとも5000万ドルを用意し、教育プログラムや職業訓練、キャリアトレーニング、生活場所の復元、再エネやエネルギー効率化をサポートするプログラムなどに活用する。

 同日、業界を超えてカーボンゼロ経済の実現を目指すTransform to Net Zero連合を設立した。設立メンバーは、マイクロソフトのほかデンマークの海運企業のA.P.モラー・マースク、仏食品企業のダノン、独自動車メーカーのメルセデス・ベンツ、ブラジルの化粧品メーカーのナチュラ、米スポーツ用品のナイキ、米コーヒーチェーン店のスターバックス、英家庭用品のユニリーバ、印ITサービス企業のウィプロ。また、NGOの環境防衛基金(EDF)が参画し、事務局はBSRが務める。