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系統利用の「先着優先」見直しを、JPEAが制度設計で見解

2020/08/05 13:20
工藤宗介=技術ライター
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300GW・最大化ケースにおける2050年までの太陽光・年間導入量の想定
(出所:JPEA)
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 一般社団法人・太陽光発電協会(JPEA)は7月30日、6月に可決・成立した「エネルギー供給強靭化法案」に基づき、2022年4月の施行に向けた国の制度設計に対する見解および提案を発表した。同法は、固定価格買取制度(FIT)の抜本見直しの骨子を規定しており、今後、経済産業省の有識者会議などで、詳細な制度設計が進むことになる。

 今回発表したポジションペーパー「太陽光発電の主力電源化」では、基本的な考え方として、JPEAのビジョンである「2050年太陽光発電300GW導入」を推進し、再エネの主力電源化に貢献することを掲げる。また、「電力市場への統合」は主力電源化の必要条件であり、今後10年程度で統合に向けた課題の迅速かつ着実な解決を目指す。一方、再エネ導入拡大とFITからの自立については「国民負担の抑制」と「再エネ投資へのインセンティブ確保」の両立が不可欠と指摘する。

 FITに代わる市場連動型の買取制度である「フィード・イン・プレミアム(FIP)」については、アグリゲーターの育成、公正かつ信頼される卸取引市場、活発なPPA(電力購入契約)取引や非化石価値取引の実現など、再エネ事業者が創意工夫できる事業環境と公平で開かれた電力市場の整備に官民一体で取り組むとしている。

 また、発電量予測や卸市場予測、蓄電池稼働の最適化技術などの実用化といった調整力関連技術とインバランス低減ノウハウを蓄積するまでの間、激変緩和措置を要望。「リスクとリターンの関係性」に配慮し、事業者の投資意欲を生かした制度設計を要望している。

 系統制約の克服については、「日本版コネクト&マネージ」の導入加速と、系統利用の「先着優先ルール」の見直しを提言した。今後の電力系統マスタープラン策定には、基幹連系線だけでなく配電網も含めた系統全体のスマート化の検討が不可欠とした。

 FIT認定の失効制度については、制度の詳細を国が早期に明確化したことを歓迎する一方で、さらに詳細な制度設計に向けては、事業開発段階に進んでいる案件の事業者や資金提供者の事業予見性が確保されるよう、引き続き十分な配慮を要望している。また、運開の見込みがなく長期間放置されている案件については、再エネ導入拡大の阻害要因にならないよう適切な措置が必要と指摘する。

 このほかにも、地域活用電源については、地域マイクログリッド計画の具体化に向けて電源過少地域における高圧案件の導入促進、第三者所有モデルや地上設置型太陽光発電所を活用したコーポレートPPAなどFITに依存しない自家消費主体の地域活用電源への移行、災害時の有効活用に向けた蓄電システムの併設などを推進している。

 なお、足元では、新型コロナウイルス感染症の影響で太陽光発電設備の導入が停滞・遅延するケースが散見されることから、FIT入札期限の延長、FIT期間が短縮される案件の救済措置など、健全な普及に支障が生じないような対策が必要としている。

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