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日本工営、フライホイール蓄電を製品化、出力60kW

2020/08/06 23:31
工藤宗介=技術ライター
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Flystabの内部。緑色の円筒がフライホイールが収められた容器になる
(出所:日本工営)
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 日本工営は8月3日、独ストルネティック(STORNETIC)と出力60kWの量産型フライホイール蓄電システム「Flystab」を共同開発し、製品化したと発表した。また、Flystabとリチウムイオン電池などを組み合わせたハイブリッド蓄電システムを開発し、産業技術総合研究所(産総研)福島再生可能エネルギー研究所(FREA)と共同で模擬マイクログリッド環境による実用性を検証した。

 電力で円盤(フライホイール)を回転させることで運動エネルギーとして蓄え、必要に応じて運動エネルギーを再び電力に変換する機械式の蓄電システム。リチウムイオン電池や鉛蓄電池などの化学反応を利用した蓄電池と比べて高額だが、繰り返し充放電を行っても劣化せず蓄電容量が変わらないため、長寿命、高速で高出力な充放電が可能という。化学物質を用いないので火災のリスクが少なく安全で、機械式のため構成部材のリサイクルが可能といった特徴もある。

 今回開発したFlystabの仕様は、フライホイール1台あたりの定格出力は60kW、定格容量は3.6kWh、充放電時間は約260秒、応答速度は約30ミリ秒、最大回転数は4万5000rpmで設計寿命は25年、重さは約900kg。フライホイールを増やすことで出力や容量を拡張できるため幅広い用途に対応できるという。

 また、ハイブリッド蓄電システムでは、独自のEMS(エネルギー管理システム)を自社開発した。FREAとの動作試験では、周波数変動の短周期部分をFlystabが吸収することで、リチウムイオン電池や鉛蓄電池の充放電流・回数を大幅に低減して劣化を抑えられることを検証した。

 国内では、これまでフライホイールを用いた電力系統向け蓄電システムによる試験はほとんどなかった。一方、欧米では周波数調整市場やマイクログリッドにおいて既に利用が進んでいる。日本工営は今後、国内やアジア諸国を中心にFlystabを用いたハイブリッド蓄電システムの優位性を広くアピールし、積極的な事業展開を目指す。

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