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温泉排熱で稼働する小型バイナリー発電、諏訪市に導入

2020/08/12 22:51
工藤宗介=技術ライター
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「あやめ源湯」に設置した小型ORC発電機
(出所:ヤンマーホールディングス)
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ORC発電域のシステムイメージ
(出所:ヤンマーホールディングス)
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 ヤンマーホールディングスのグループ会社であるヤンマーエネルギーシステム(大阪市)は8月6日、温泉廃熱を利用した小型の「有機(オーガニック)ランキンサイクル式発電機(ORC発電機)」を開発し、試験機を長野県諏訪市の「あやめ源湯」に設置したと発表した。

 ORC発電機は、水よりも沸点の低い媒体(作動流体)を用いることで、低温の蒸気や熱水を発電に利用できるのが特徴。熱源系と媒体系の2つの熱サイクルで構成されることから、「バイナリー発電」とも呼ばれる。これまで未利用だった工場排熱や温泉熱などを有効活用でき、地球温暖化防止の観点からも有用なシステムと期待される。

 従来のバイナリー発電は、地熱活用など大規模なものが多く、導入先が限られ個別対応が必要となることから、コスト高などの課題があった。ヤンマーエネルギーシステムは今回、定格出力9.0kW(熱源90度、冷却源20度の場合)、幅807×奥行き2009×高さ1675mmの小型ORC発電機を開発した。

 熱回収から系統連系に必要な機器をパッケージにすることで施工性を向上させた。配管・配線接続のみで設置できる。また、複数台の設置が容易で、案件ごとに最適な容量で提案できるという。

 諏訪市では、豊かな温泉資源を活用し家庭や共同浴場などへ温泉を給湯する事業を行っているが、契約件数が減少傾向にあった。温泉の新たな活用方法を模索するなか、ヤンマーエネルギーシステムの技術を知り、今回の試験導入が実現した。出力は8kW、年間発電量は約7万kWhの見込み。8月4日から発電を開始し、実証期間は1年間の予定。

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