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2030年「再エネ比率40%」、経済同友会と自然エネ協議会が提言

2020/08/18 00:26
工藤宗介=技術ライター
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 経済同友会(代表幹事:櫻田謙悟・SOMPOホールディングスグループ社長)は7月29日、日本国内における2030年のエネルギーミックス(あるべき電源構成)について、「再生可能エネルギー比率40%」を目指すべきとの政策提言を発表した。

 また、自然エネルギー協議会(会長:飯泉嘉門・徳島県知事)も同日、2030年に再エネ比率40%を求める政策提言を、環境省・佐藤ゆかり副大臣と経済産業省・牧原秀樹副大臣に提出した。

 経済同友会の政策提言では、2030年の再エネ比率40%の内訳は、太陽光・風力発電の比率が30%、水力・バイオマス・地熱などの発電比率が10%と想定する。この実現には、政府による明確な意思表示と政策誘導、民間企業による積極的かつ継続的な投資、国民の地球温暖化やエネルギーに対する意識変革と行動変容が不可欠とする。

2030年における電源構成の試算
(出所:経済産業省資料をもとに経済同友会事務局にて作成)
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2030年までに必要な太陽光・風力発電の設備容量
(出所:経済産業省資料をもとに経済同友会事務局にて作成)
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 日本では、2015年7月に政府が発表した「長期エネルギー需給見通し」のなかでエネルギーミックスを設定し、2030年におけるゼロ・エミッション電源(再エネと原子力)の比率を44%とし、再エネ比率を24~22%、原子力比率を20~22%にするという目標を掲げた。国際社会に対してはパリ協定において「2013年度比で26%の温室効果ガス削減」という目標を国際公約にしている。「ゼロエミ電源44%」であれば、「温室効果ガス26%削減」が可能になるという関係になっている。

 その一方、実態としては2018年度のゼロ・エミッション電源比率は23%(再エネ比率17%、原子力比率6%)と半分程度にとどまり、目標達成が危ぶまれている。こうした状況で国際公約を達成するには、2030年に向けたエネルギーミックスの目標自体を変更し、再エネ比率を大幅に高めて主力電源化する必要があると指摘する。

 なお、経済同友会は「縮・原発」の立場をとっており、2030年の原子力比率を15%と見込んでいる。再エネ比率40%を達成できれば、原発稼働率が現在の6%に留まったままでも、日本の中期目標である2030年にゼロ・エミッション電源比率44%を達成できると説明している。

 また、自然エネルギー協議会の政策提言では、「2050年に温室効果ガスの実質排出ゼロ」を前提に、2030年の再エネ発電比率40%超などの意欲的な導入目標を設定し、国が強力なリーダーシップを発揮することを求めている。また、新型コロナウイルス感染拡大によって停滞した経済の復興を期し、環境と経済の好循環を更に進めるべく「RE100」といった脱炭素化に向けた取り組みを推進する必要があるとしている。

 このほかにも、地域共生・地元雇用創出など地方創生を加速化させるための取り組み、主力電化に向けて系統容量拡大と地域間連系線の増強、出力制御の抑制、託送料金体制の構築、固定価格買取制度(FIT)に代わる新たな買取制度への円滑な移行、洋上風力発電導入に向けた「再エネ海域利用法」などについても支援策を要望している。

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