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アンモニアの海上輸送インフラ、国内3社で共同開発

2020/08/19 00:46
工藤宗介=技術ライター
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AFAGCの外観イメージ
(出所:3者共同のプレスリリース)
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A-FSRBの外観イメージ
(出所:3者共同のプレスリリース)
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 日本郵船、ジャパン マリンユナイテッド(横浜市)、一般財団法人・日本海事協会の3者は8月6日、海運分野における温室効果ガスの排出削減に向けて、アンモニアを主燃料とする液化アンモニアガス運搬専用船(AFAGC)および浮体式アンモニア貯蔵再ガス化設備(A-FSRB)の共同研究開発契約を締結したと発表した。

 アンモニアは、燃焼時にCO2を排出しないことから次世代燃料の1つとされており、原料に再生可能エネルギーを用いたCO2フリー水素を用いることでゼロ・エミッションが実現できる。発電分野では、主燃料である石炭や天然ガスと置き換えることでCO2を削減できる。国内ではアンモニア100%のガスタービン発電や、石炭火力発電所でのアンモニア混焼発電に向けた技術開発が進められている。

 また、海事分野においても温室効果ガスの排出削減が課題となっている。国際海事機関(IMO)では、2018年に国際海運分野からの排出量を2050年までに半減(2008年比)、今世紀中の早期にゼロにする目標を掲げている。

 3者は今回、需要拡大が見込まれる燃料アンモニアの安定供給に向けて輸送インフラの必要性が高まると見込んで共同開発に着手する。船用燃料としてのアンモニアの活用だけでなく、アンモニアの大量輸送および供給方法を確立し、国内電力会社が取り組む石炭火力発電所へのアンモニア混焼の導入にも生かされることを目指す。

 AFAGCは、液化アンモニアガスの運搬に特化するとともに、積荷であるアンモニアを燃料に活用することで外航船舶がゼロ・エミッションになる。また、A-FSRBは、アンモニアの貯蔵・再ガス化設備を搭載したバージであり、陸上設備の代替として活用することで燃料アンモニアを安定的に供給する。

 日本郵船は運航手法の策定・法規対応の検討・経済性の評価。ジャパン マリンユナイテッドはAFAGCとA-FSRBの研究開発、日本海事協会は安全性に関する技術検証・ガイドライン策定を担当する。

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