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独ボッシュが「脱炭素」達成へ、電力大手3社と太陽光の電力購入契約

2020/08/19 07:30
工藤宗介=技術ライター
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ボッシュの気候対策のイメージ
(出所:ボッシュ)
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自社工場に約50基の太陽光発電設備を設置
(出所:ボッシュ)
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自社太陽光の発電量は約6万MWhに達する
(出所:ボッシュ)
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2019年に自社開発の定置用燃料電池プロトタイプが稼働
(出所:ボッシュ)
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 ドイツの自動車部品大手ボッシュは8月5日、欧州の大手電力会社であるドイツ・RWE、ノルウェー・スタットクラフト(Statkraft)、スウェーデン・バッテンフォール(Vattenfall)との間で、太陽光発電を利用した電力の長期購入契約を締結したと発表した。

 ボッシュは、2020年末までに、事業活動から排出するCO2を表す「カーボンフット・プリント」でゼロを達成できる見通しで、世界400カ所の拠点すべてでCO2排出を相殺する「クライメートニュートラル」を実現するとしている。

 今回の電力契約では、3社いずれの太陽光も、補助金をまったく受けていないサイトから公共の送電網を通じて供給され、ドイツ国内のボッシュ拠点で消費される。2021年以降、年間合計10万MWh以上を賄う予定で、最大で一般家庭3万世帯分、ボッシュのフォイヤバッハの拠点の電力消費量の70%に相当する。契約期間は12年から16年で、スタットクラフトは既に5月から電力を供給している。

 ボッシュグループでは、ドイツ国内外で同様の長期契約の締結を目指している。例えばメキシコでは、既にエネルギー需要の最大80%をクリーン電力で賄っているという。イタリアのエネルギー大手エネル(Enel)と15年間のパートナーシップを締結し、メキシコの多くの工場でエネル系列の風力発電所から年間約10万5000MWhの電力供給を受けている。

 また、自家発電設備の拡充も推進しており、自社工場に約50基の太陽光発電設備を設置し現在の発電量は約6万MWhに達する。2030年までに拠点内での再生可能エネルギーの供給を合計40万MWhまで拡大させる計画。太陽光発電のほかにも、水力発電やバイオマス発電プロジェクトにも取り組む。

 2019年には、自社開発の定置用燃料電池プロトタイプがホンブルクおよびバンベルクの拠点で稼働を開始した。ザルツギッターでは、フラウンホーファー研究機構および現地企業と共同で水素センターを設立した。ヴェルナウのトレーニングセンターでは、6月末に固体酸化物形燃料電池(SOFC)システムが稼働した。

 なお、海外の水素関連事業の動向に関しては、⽇経BP 総合研究所が7⽉31⽇に発⾏した「世界⽔素ビジネス-全体動向編-」の中で詳しく解説している。本書は技術解説のほか、中国・韓国・欧⽶豪の戦略を分析、2050年までの⽔素普及シナリオを描いている(「世界⽔素ビジネス-全体動向編-」の案内サイト)。

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