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「硫化スズ単結晶」を大型化、次世代太陽電池へ期待

2020/08/24 21:25
工藤宗介=技術ライター
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育成した硫化スズ単結晶
(出所:東北大学)
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 東北大学は8月21日、次世代の太陽電池材料として有望とされるn型硫化スズ単結晶の大型化に成功したと発表した。硫化スズは希少金属や有毒元素を一切含まないため、高効率で環境負荷の少ない太陽電池の実用化に向けた突破口になると期待される。

 硫化スズ太陽電池の高効率化には、伝導特性の異なるp型とn型の硫化スズを組み合わせてpnホモ接合を作り、発電効率を下げる要因となる欠陥を減らすことが重要となる。しかし、容易に作成可能なp型に対し、n型硫化スズの作製は困難だった。

 研究グループは今回、単結晶を育成する「フラックス法」の組成を見直した。その新しいフラックス法で育成した結果、硫化スズにn型伝導をもたらすために添加した塩素や臭素のハロゲン成分が結晶の大型化に大きく寄与することを発見した。

 この大型化技術を用いることで、最大で幅24mmまでn型硫化スズ単結晶を大型化することに成功した。得られた硫化スズの構造や電気特性を詳細に調べたところ、高い結晶性、高い電子の伝導性、適切なフェルミ準位を持つ、非常に良質なn型単結晶であることがわかった。

 n型単結晶の大型化により、pn接合の試作持のハンドリングが大幅に容易になるほか、さまざまなp型層の成膜条件でpnホモ接合を同時に複数個試作できるようになる。これにより「硫化スズ太陽電池」の開発速度が劇的に加速すると期待される。

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