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ドローンとAIによる「スマート保安」、国が実証事業

2020/08/24 23:14
工藤宗介=技術ライター
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ドローン&AI遠隔監視事業のシステム概要
(出所:エナジー・ソリューションズ)
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AIを活用した点検システム構築事業での開発概要
(出所:エナジー・ソリューションズ)
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 エナジー・ソリューションズ(東京都千代田区)は8月19日、ドローンとAIを活用して太陽光発電所を保守・点検する「スマート保安」の実証に参加すると発表した。

 「太陽光発電所におけるドローン&AI遠隔監視事業」と「太陽光発電遠隔監視システムにおけるAIを活用した点検システム構築事業」の2事業が、「令和2年度補正予算 産業保安高度化推進事業費補助金」に採択された。

 ドローン&AI遠隔監視事業では、同社のドローン&クラウド太陽光パネル赤外線検査サービス「ドローンアイ」と、センシンロボティクス(東京都渋谷区)が提供する完全自動運用型ドローンシステム「SENSYN DRONE HUB」により、太陽光発電設備を無人で巡視・点検作業を実施する。撮影された赤外線映像などをクラウドに送信、ドローンアイAI自動解析ツールで故障箇所を検知し、報告書をO&M(運営・保守)事業者および発電事業者に提供するシステムを開発・実証する。

 点検をドローンで無人化することで、遠隔での異常検出や自然災害による被害状況を確認でき、作業者の安全確保とともに発電所の保安力向上につながる。また、赤外線映像などのAI解析により、異常箇所を把握し対処方法を事前に準備することで、現場作業の効率化が期待できる。ドローンアイAI自動解析ツールは、SBテクノロジー(東京都新宿区)およびM-SOLUTIONS(東京都新宿区)と共同開発し、AI機能の追加・精度を向上させる。

 AIを活用した点検システム構築事業では、同社の太陽光発電遠隔監視システム「ソーラーモニター」などの膨大な監視データ、気象情報、故障履歴データをベースに、エッジテクノロジー(東京都港区)と共同で6種類のAIアルゴリズム・再学習機能を設計・開発し、太陽光発電設備の故障検知・予知の評価・検証を行う。

 「早期に故障・経年劣化を発見することで長期安定的な発電を実現する」「事前に故障状態を予知することで事前の対応準備など現場作業を効率化する」「遠隔監視装置が設置されていない低圧太陽光発電設備において発電量が適正か確認しO&Mの重要性を訴求できる」といった効果が期待される。

 現在全国で約60万カ所の太陽光発電所が稼働しているが、2017年4月の改正FIT法の施行によるメンテナンス義務化や、近年の台風など自然災害による太陽光発電所の被害増加などによって、太陽光発電事業者では長期にわたって安全・安心に発電事業を継続できる対策へのニーズが高まっているという。

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