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「有機農業支援型」ソーラーシェア、パネル下に無農薬で小麦栽培

2020/08/26 14:50
工藤宗介=技術ライター
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「阿久津さんの有機小麦太陽光発電所」
(出所:みんな電力)
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 みんな電力(東京都世田谷区)は8月19日、太陽光発電事業などを手掛けるグリーンシステムコーポレーション(GSC、宇都宮市)と業務提携し、有機農業支援型のソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)事業を開始した。

 有機農業によるソーラーシェアリングからの電力を販売することで、農業を支援する。

 第1号案件は、GSCが宇都宮市に所有する営農型太陽光発電所「阿久津さんの有機小麦太陽光発電所」。太陽光パネルの出力は54.6kW、連系出力は41.3kWで、年間発電量は6万4612kWhを見込む。サンパワー製の太陽光パネル、安川電機製のパワーコンディショナー(PCS)、キングスフィールド製の架台を採用した。

 3月から発電を開始し、固定価格買取制度(FIT)の売電単価は24円/kWh。現在、みんな電力の電力取引システムを用いて、発電した電力を契約法人の顧客の需要量と30分ごとにマッチングする「顔の見える電力」として売電する準備を進めている。

 同発電所の太陽光パネルの下では、無農薬・無化学肥料・無除草剤の有機農法で小麦を栽培している。この小麦を使った食パンなどはGSCの運営店のほか、みんな電力が運営する再エネ100%で生産された物品を扱うECサイト「Green Dept」でも販売する予定。また、電気料金のうち月額100円を発電所に寄付できるサービスを活用し、同発電所に寄せられた応援金を有機農業の運営費に当てる計画。

 GSCでは、太陽光発電と有機農業を融合した「農業6次産業化プロジェクトと持続可能なSDGs」に取り組んでいる。2014年度の10aあたり小麦収穫量が宇都宮市平均300kgだったのに対し、グループ会社のグリーンウィンドでは平均368kgの収穫があった。今後約10haの営農型太陽光発電所でコメ、麦、野菜などを栽培する予定。

 みんな電力は、今回の案件をモデルケースとし、発電した電力を「顔の見える電力」として売電しながら、同社ネットワークを活用して有機農業の販売経路を拡大する「有機農業支援型ソーラーシェアリング事業」を2020年度中に3件(約4000m2規模に相当)導入することを目指す。合わせて他社へのモデル展開も検討していく。

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