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国内初「再エネ・クロス発電」稼働、メガソーラーに風力併設

1つの連系枠に「太陽光+風力」、連系設備の利用率30%に向上

2020/09/08 15:33
金子憲治=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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「いいたてまでいな再エネ発電所」
(出所:東光電気工事)
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国内初の「再エネ・クロス発電」
(出所:東光電気工事)
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 東光電気工事は9月4日、福島県飯舘村のメガソーラー(大規模太陽光発電所)に大型風力発電設備を併設して、1つの連系枠を使い、1つの連系点から送電する「再エネ・クロス発電」が商用運転を開始したと発表した。

 2016年3月に稼働した太陽光パネル容量11.8MW(連系出力10MW)のメガソーラーに定格出力6.4MWの風力発電設備を増設した。発電した電力は東北電力に全量売電する。

 今回の「再エネ・クロス発電」では、太陽光と風力を合わせた発電量が、契約電力量である連系枠の10MWを超えそうな時に太陽光発電と風力発電の出力を効率よく抑制することで、連系枠を超えないように制御する。

 太陽光と風力を個別に連系運用した場合、設備利用率はそれぞれ約15%、約25%となるが、合成出力として1つの連系枠内で運用した場合、連系変電設備の利用率は約30%まで向上し、限られた連系枠を効率的に活用できるという。

 東光電気工事は、このシステムを「再エネ・クロス発電」と名付け、特許と商標登録を取得しているという。

 事業主体は、東光電気工事が55%、飯舘村が45%出資して設立した特定目的会社(SPC)「いいたてまでいな再エネ発電」となる。EPC(設計・調達・施工)およびO&M(運営・保守)サービスは、東光電気工事が担当する。風力発電の導入に伴い、発電所の名称を「いいたてまでいな太陽光発電所」から、「いいたてまでいな再エネ発電所」に変更した。

 同発電所は、長年使われず荒地になっていた飯舘村所有の牧草地約14haを、大規模に造成せず土地なりに太陽光パネルを設置した。パネルは三菱電機製の単結晶シリコン型、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した。 増設した風力設備は米GE(ゼネラルエレクトリック)製の3.2MW風車2台になる。

 風力増設後のクロス発電時の年間発電量は2万7000kWhを見込み、一般家庭約4100世帯分の消費電力に相当し、1万3500t程度のCO2削減効果が見込める。

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