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過疎地域に「再エネ+EV」でMaaS、浜松市で実証

2020/09/09 22:16
工藤宗介=技術ライター
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佐久間町での実証実験イメージ
(出所:TIS)
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 TISは9月7日、浜松市佐久間町で、再生可能エネルギーと電気自動車(EV)を活用したMaaS(Mobility as a Service)プラットフォームを実証すると発表した。2019年8月に北海道厚沢部町で実施した実証実験「ISOU PROJECT」のMaaSプラットフォームを改良したEVタクシーのオンデマンド配車システムを提供する。

 佐久間町は、65歳以上人口の割合が60.5%と特に高齢化・過疎化が進んでいる地域で、不採算性から公共交通事業者・民間タクシー事業者とも廃止・撤退が続き、地域住民の移動手段が十分でない状況にある。NPO法人・がんばらまいか佐久間は、浜松市と連携して公共交通が空白地での有償運送事業のタクシー業務を2007年から運営しているが、利用者減による事業採算性の悪化やサービスに係る人材不足といった課題を抱えている。

 今回の実証実験では、がんばらまいか佐久間、浜松市、地域新電力の浜松新電力、TISが参加する「浜松佐久間MaaS推進協議会」がEVタクシーとして7人乗りワゴン車「NISSAN E-NV200」1台を運行する。CTI(音声自動応答電話)を活用したオンデマンド・前日乗車予約の仕組みによって、高齢者なども利用しやすい環境を整える。音声ガイダンス利用が困難な難聴者向けにはタブレット端末でタクシーを呼ぶ「浜松佐久間MaaSかんたんアプリ(仮称)」を開発し順次提供する。

 呼び出し・予約・配車をシステムで受け付けることで従来のオペレーター対応コストを削減する。また、EVの充電には、佐久間町に設置された太陽光パネルで発電した電力などを利用する。具体的な発電所などは未定で、再エネ電力の供給量などは今後実証を通じて検討していく。過疎地域交通の利便性向上と運用業務の効率化、再エネの地産地消を目指す。実施機関は9月16日~12月18日。

 なお、同実証実験は、経済産業省・国土交通省の令和2年度「スマートモビリティチャレンジ」プロジェクト内の地域の課題解決に資するMaaSのモデルを構築する「日本版MaaS推進・支援事業」に採択されている。特に過疎地域におけるMaaS導入モデルを構築し、全国で同様の課題を持つ自治体・地域の課題解決を推進するとしている。

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