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東電HDなど、「浮体式」洋上風力を低コスト化、NEDO事業で

2020/09/11 13:17
工藤宗介=技術ライター
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浮体式洋上風力発電所の完成イメージ
(出所:東京電力HD)
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 東京電力ホールディングスは9月3日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業「浮体式洋上風力発電低コスト化技術開発調査研究」に採択されたと発表した。期間は2022年3月末までの2カ年。

 浮体式洋上風力発電は、着床式と比較して風況の良い沖合での導入ポテンシャルが大きいことから、今後の国内での普及が期待されている。一般社団法人・日本風力発電協会の風力発電導入ロードマップでは、2030年の風力発電予測の約3700万kWのうち浮体式洋上風力は11%の約400万kWから、2050年には約7500万kWのうち24%の約1800万kWまで拡大すると見込んでいる。

 その一方、国内の厳しい気象・海象条件のなかで浮体式を導入するには、信頼性の高い安価な浮体および施工法を確立するなど発電コストの一層の低減が求められている。そこで同社は、10MW級風車を搭載可能なスパー型浮体の基本設計および施工法を検討し、大幅な発電コストの低減が見込まれる技術を抽出した。スパー型は、水面貫通部分が小さい円筒形の浮体で、波浪の影響を受け難くコスト面でも優位と説明している。

 今回のNEDO事業では、洋上風力発電の設計・施工技術に関して豊富な知見・経験を持つ五洋建設および東京大学と共同で、抽出した技術の実現可能性やコスト低減の調査および評価などを実施する。従来の浮体式と比べて約2~3割削減し、着床式と同等レベルまでの低コスト化を目指す。

 東京電力HDは、浮体製造法および係留索とアンカーの方式、五洋建設は風車・浮体の施工法および係留索とアンカーの施工法、東京大学は浮体動揺の評価技術の高度化および発電コスト低減技術の評価を担当する。なお、今回は研究開発事業のため、実機を用いた実証を行うかについては研究を進めながら検討するという。

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