水素

日本郵船など、横浜港沿岸で「燃料電池船」実証運航へ

海運分野でも脱炭素化が本格化、水素供給にも取り組む

2020/09/11 14:35
山口 健=⽇経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
印刷用ページ

 海運分野でも脱炭素化の動きが本格化している。日本郵船、東芝エネルギーシステムズ、川崎重工業、日本海事協会、ENEOSなど5社が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)助成事業の公募採択を受け、2020年9月から「高出力燃料電池搭載船の実用化に向けた実証事業」を開始すると発表した。商業利用可能なサイズの燃料電池(Fuel Cell)搭載船の開発、および水素燃料の供給を伴う実証運航は、日本初の取り組みという(図1) 。

図1●実証事業の取り組む範囲
(出所:日本郵船)
クリックすると拡大した画像が開きます

 燃料電池を動力とし、再生可能エネルギー由来の水素を燃料にすることによって航海中の温室効果ガス(Greenhouse Gas:GHG)排出量を100%削減することが可能となる。海外では、ノルウェーのフェリー会社であるNorledが液化水素フェリーを2021年にも竣工するとの報道がある。

 2016年のパリ協定発効を機に、海運分野でもGHGの排出削減が課題となっている。2018年には、国際海事機関(IMO)が、国際海運分野からのGHG 排出量を2050年までに半減させ、今世紀中の早期にゼロとする目標を掲げた。これは現状の年間8億tの排出量を、2050年に4億tにすることに相当する。代替燃料としては、バイオ燃料やアンモニア、合成メタンなども候補となるが、水素を燃料とする燃料電池船はその有力技術の1つ。

 なお、燃料電池の応用動向に関しては、⽇経BP 総合研究所が発行した「世界⽔素ビジネス-全体動向編-」の中で詳しく解説している。本書は技術解説のほか、中国・韓国・欧⽶豪の戦略を分析、2050年までの⽔素普及シナリオを描いている(「世界⽔素ビジネス-全体動向編-」の案内サイト)。

  • 記事ランキング