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独ボッシュ、トラック向け燃料電池を2023年までに生産

2020/09/12 17:04
工藤宗介=技術ライター
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トラック向け燃料電池パワートレインのイメージ
(出所:ボッシュ)
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 ドイツの自動車部品大手ボッシュは、将来、自動車が電動化する「e-モビリティ」に向けて燃料電池の駆動システム(パワートレイン)の開発を進めている。まずはトラック向けに2022~2023年に生産を開始する計画で、トラックで確立された後には乗用車にも応用する。将来的に燃料電池車は、従来のパワートレインを搭載した車両より低価格で利用できるようになると予測している。9月2日発表した。

 燃料電池は、水素と酸素が反応して放出されるエネルギーを直接、電気に変換し、その過程で熱と水も生成される。また、水素は、電気を通じて水を水素と酸素に分離する電気分解によって得られる。この電力を再生可能エネルギーから生成することで、燃料電池は完全なカーボンニュートラルになる。

 特に大型車の場合、生産から走行時、廃棄までのCO2排出量を合算すると、カーボンフットプリントは燃料電池の方が蓄電池のみの電動パワートレインより優れる。同社では、燃料電池と蓄電池は、それぞれ異なる領域で真価を発揮するため、競合せず互いを補完し合えると説明している。

 1kgの水素は、3.3Lのディーゼル燃料に匹敵するエネルギー密度を備える。100km走るのに必要な水素量は、乗用車では約1kg、積載量40tのトラックでも7kg強で済む。さらにディーセル車やガソリン車と同様に、数分で水素タンクを充填し走行を続けられる。毎日重い荷物を長距離運搬する用途なら燃料電池が第1の選択肢になるとしている。

 生産能力が拡大し、再エネ電力の価格が低下すると、グリーン水素のコストは大幅に低下すると見られる。国際企業90社以上が参加する水素協議会では、今後10年間で多くの水素応用コストが半減すると予測する。また、欧州では既に約180カ所の水素充電ステーションが設置され、多くの国で補助金を受けながら拡大している。日本、中国、韓国でも包括的なサポートプログラムが策定されているとしている。

 なお、燃料電池の応用動向に関しては、⽇経BP 総合研究所が発行した「世界⽔素ビジネス-全体動向編-」の中で詳しく解説している。本書は技術解説のほか、中国・韓国・欧⽶豪の戦略を分析、2050年までの⽔素普及シナリオを描いている(世界⽔素ビジネス-全体動向編-」の案内サイト)。

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