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五洋建、洋上風力に向け2隻目のSEP船、浮体式も開発

2020/09/12 21:04
工藤宗介=技術ライター
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SEP船のイメージ
(出所:五洋建設)
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 五洋建設は、現在建造中のSEP(自己昇降式作業台)型の多目的起重機船(SEP船)の建造代金を資金使途とするグリーンボンドを10月に発行する。9月8日、同発行に向けた社債の訂正発行登録書を関東財務局庁に提出したと発表した。

 発行総額は100億円、発行年限は5月の予定。鹿島建設および寄神建設と共同で建造する1600t吊の全旋回式クレーンを搭載したSEP船の建造代金に充当する。同社は、2018年12月に国内初となる洋上風車据付用の800t吊クレーンを搭載したSEP船「CPー8001」を建造しており、国内2隻目のSEP船となる。

 1600t吊クレーン搭載SEP船は、水深50mの大水深に対応し、10~12MWクラスの風車の設置、モノパイルやジャケットなどの基礎の施工が可能。また、広いデッキスペースと十分なジャッキ能力を備え、風車を複数機搭載して運搬できる。このほかにも、ダイナミックポジションシステム(DPS)により船体の位置保持が可能で、ジャッキアップ時の位置決め時間を短縮できる。

 基本設計は蘭GustoMSC、建造はシンガポールPaxOcean Engineering、主クレーンは蘭Huismanが担当する。総投資額は185億円、うち五洋建設分は約120億円。2022年9月に完成、2023年3月に稼働する予定。運用予定期間は12年間。

 グリーンボンドの主幹事は、みずほ証券、野村證券、SMBC日興証券。グリーンボンド・ストラクチャリング・エージェントは、みずほ証券が担当する。グリーンボンドに対する第三者評価として、日本格付研究所(JCR)から「グリーンボンド原則2018年版」および「グリーンボンドガイドライン2020年版」に適合するとのセカンドオピニオンを取得、合わせて最上位評価「Green1」の予備評価を取得した。

 さらに、低炭素化に向けた大規模投資を促進する国際NGOであるClimate Bonds Initiative(CBI)が整備する「CBI気候変動債基準 v3.0、Marine Renewable Energy Sector Criteria」への適合性についても、CBIの認定認証機関であるJCRを通じて認証を取得した。SEP船の建造を資金使途としたCBI認証は世界初になるという。

 なお、第三者評価の取得については、環境省の令和2年度「二酸化炭素排出抑制対策事業費補助金」の交付対象となっている。

 また同日、五洋建設は、東京電力ホールディングスおよび東京大学と共同で、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業「浮体式洋上風力発電低コスト化技術開発調査研究」に応募し採択されたと発表した。同社は、10MW級風車を搭載可能なスパー型浮体を対象に、国内の厳しい気象・海象条件に対応した合理的かつ効率的な施工方法に関する調査研究を担当する(関連記事: 東電HDなど、「浮体式」洋上風力を低コスト化、NEDO事業で)。

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