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洋上風力、入札での上限額29円/kWh、IRR10%前提

2020/09/17 21:08
工藤宗介=技術ライター
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今回対象となる促進区域の風況
(出所:経産省資料)
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 経済産業省は9月15日、調達価格等算定委員会を開催し、洋上新法(再エネ海域利用法)に基づく促進区域として公募を実施する3カ所4区域について、供給価格上限額を29円/kWhとする委員長案を取りまとめた。2014~2019年度の着床式洋上風力発電の調達価格36円/kWhから大幅に減額した。

 経産省では、7月21日に秋田県能代市・三種町・男鹿市沖、秋田県由利本荘市沖(北側)、秋田県由利本荘市沖(南側)、千葉県銚子市沖の3カ所4区域を促進区域に指定した。同委員会では、前回までに対象区域は着床式洋上風力発電とすること、供給価格上限額は同額とすることで合意している。

 今回、供給価格上限額を算定するにあたって、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)着床式洋上風力発電コスト調査の算定式に4区域の平均的な自然条件などを代入して得られる額に、内外価格差(1.9倍)を乗じて資本費・運転維持費・撤去費を算出して委員長案とした。なお、調達期間は、2014~2019年度と同じ20年間になる。

 資本費は接続費の一部を追加的に加味して51.2万円/kW(2014~2019年度は56.5万円/kW)、運転維持費は1.84万/kW/年(同2.25万円/kW/年)とし、2014~2019年度から減額した。また、撤去費は10.7万/kW(資本費の5%)、設備利用率は、内外価格差が影響しないことから、4区域の年平均風速を平均した7.56m/sからNEDO算定式より機械的に算出して33.2%(同30%)とした。

 一方、IRR(法人税などの税引前の内部収益率)は10%とし、2014~2019年度から据え置かれた。当時は洋上風力発電の供給量が順調に伸びてきたとはいえない状況であったことから「供給量換算上乗せ措置」としてIRR1~2%分を利潤に上乗せしていた。

 今後、風力発電がコスト的に競争力のある電源になっていくこと、公募参加者が複数存在し競争的になっていることを踏まえ、IRRを下げるべきといった意見もあった。それに対し、初の着床式洋上風力発電の公募であり、日本では商用案件の運転実績がないことから、今回の3カ所4区域ではIRR10%が適当とした。

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