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国内太陽光セカンダリー市場、2021年度には1210MW規模へ

2020/09/19 11:07
工藤宗介=技術ライター
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太陽光発電所セカンダリー市場の市場規模推移・予測
(出所:矢野経済研究所)
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 矢野経済研究所は9月17日、国内の太陽光発電所セカンダリー市場の調査結果を発表した。2019年度に取引された稼働中の国内太陽光発電所は、出力ベースで730MWと推計する。また、2020年度は970MWの見込みで、2021年度には1210MWに拡大すると予測している。

 調査レポートによると、太陽光発電所セカンダリー市場は売り手市場の様相を呈しているという。2020年上半期時点では、売却予定の太陽光発電所に対して買い手側の需要が上回っている状況で取引価格が高止まりしている。今後も発電事業者やインフラ投資に注力する投資ファンド、株式以外の投資に関心を持つ個人投資家などからのニーズが継続的に発生する見通し。

 固定価格買取制度(FIT)における新規認定案件の売電単価が年々下落していることから、稼働中の太陽光発電所の中で収益性に優れる物件の取得を検討する発電事業者や投資家が増加。さらに、再生可能エネルギー分野を成長領域とみる事業者や投資家のなかには、新設・稼働中を問わず発電所の所有件数を増やす動きも見られ、買い手側の需要を押し上げる要因になっているという。

 また、将来的に太陽光発電所における地域活用要件の導入やFIP(フィード・イン・プレミアム)制度の創設などによって新規開発のハードルが上がった場合には、早期に太陽光発電事業へ参入するために稼働中の太陽光発電所を取得することも1つの方法になり得ると指摘する。

 新型コロナウイルスの影響については、主力事業が低調な民間企業が経営資源の集中や事業資金の確保のため太陽光発電所の売却を検討する例もあり、今後も厳しい事業環境が続く場合は売却が広がる可能性がある。一方で、安定した売電収入が見込める稼働中の太陽光発電所を低リスク資産とみなして株式投資から切り替える投資ファンドや個人投資家も存在するため、ウィズコロナ時代でも太陽光発電所の買い手側需要は大きく減少しないと見ている。

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