ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)事業を推進するスマートブルー(静岡市)は、神奈川県茅ヶ崎市で地域密着型ICT農場の運営を開始する。太陽光発電と水の使用量を抑えた栽培設備の導入により、環境負荷を極力減らした環境調和型農場として稼働する。9月23日に開所式を開催した。
ハウス上空に太陽光パネルを設置し、農場内で使用する農業用ICT、井戸用ポンプ、養液潅水システム、ビニール開閉システムなどの機器の電源に利用することでエネルギーの地産地消を実現する。また、蓄電池を導入することで、天候に左右されず安定的に営農を続けられるという。
太陽光パネルの出力は24.12kW、年間発電量は2万9395kWhの見込み。太陽光パネルは中国ジンコソーラー製、パワーコンディショナー(PCS)はエネルギーギャップ製を採用した。EPC(設計・調達・成功)はスマートブルーが担当した。
農業ICTでは、養液管理システム、各種環境センサー、被覆自動開閉システム、モニタリングカメラの導入によって効率化・省力化を目指す。養液水耕栽培で葉物野菜(レタス、ケール、ミズナ、からし菜など)を周年栽培し、地域の直売所やスーパーに出荷する。
このほかにも、大規模災害などの停電時にも蓄電池から井戸用ポンプ、夜間照明、コンセント、Wi-Fiを利用可能で、地域の防災拠点として無料で開放する予定。また、障害を持つ人の働きがい、生きがいづくりの場としてのモデル農場、地域の学校などの食育の場としても活用していく。