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IHI、「太陽光由来水素」からアンモニア、相馬市に研究棟を開設

2020/09/28 23:44
工藤宗介=技術ライター
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そうまラボ外観
(出所:IHI)
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実験室(大型セル)
(出所:IHI)
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 IHIは、福島県相馬市にある「そうまIHIグリーンエネルギーセンター(SIGC)」内に、再生可能エネルギー由来のCO2フリー水素を活用した研究を推進する水素研究棟「そうまラボ」を開所し,2020年9月から運用開始した。

 SIGCは、相馬市の協力のもと、太陽光発電電力の地産地消の実現と、地域振興・発展に寄与することを目的に2018年に開設した。敷地面積5万4000m2に出力1.6MWの太陽光発電設備を設置。発電した電力は相馬市下水処理場などに送るとともに、余剰電力は水電解水素製造装置で効率よく水素を製造・貯蔵する実証事業などに利用している。

 今回開設したそうまラボでは、隣接したメガソーラー(大規模太陽光発電所)の余剰電力で製造した水素を使用し、将来の水素社会を見据えた水素利用・エネルギーキャリア転換技術研究・実証実験などを実施する。具体的には、水素を活用しやすいCH4やオレフィン、アンモニアなどに合成する研究などを行っていく(関連記事:IHI、相馬市で「再エネ水素」からアンモニア製造、メガソーラー電力を自営線供給、余剰分を水素と熱に)。

 また、オープンイノベーションの場として、先駆的技術の研究を行う研究機関や企業にも公開するほか、地域の小中学校の体験学習の場としても提供する。現在、福島県内に研究施設を持つ産業技術総合研究所(産総研)や福島県ハイテクプラザと研究開発の話を進めているという。

 敷地面積約1200m2(ユーティリティスペース含む)、延床面積約900m2に、実験室(屋内セル4、屋外1)、計測室、会議室(最大40人程度)、交流スペース(最大16名程度)を備える。SIGCの余剰電力から最大400Nm3/日の水素を製造して研究に活用する。

 こうした水素利用の動向に関しては、日経BP 総合研究所が7月31日に発行した「世界水素ビジネス-全体動向編-」の中で、「作る」「運ぶ/貯める」「使う」ための各種技術の解説のほか、中国・韓国・欧⽶豪の戦略を分析、2050年までの水素普及シナリオを紹介している(「世界水素ビジネス-全体動向編-」の案内サイト)。

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